The Sake Wire

震災復興から30回、灘・西宮の8蔵が神社に集う

阪神・淡路大震災からの復興を機に始まった西宮の酒祭りが30回目を迎え、白鹿や大関など地元の8蔵が西宮神社に集った。

第30回記念「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」の告知ビジュアル
第30回記念「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」の告知ビジュアル — 画像提供: PR TIMES(西宮商工会議所)(プレスリリースより)

兵庫県西宮市は神戸と大阪のあいだに位置し、日本有数の酒どころ「灘五郷」の一角を占めます。灘五郷は、神戸市東部から西宮市にかけて並ぶ5つの酒造地区の総称です。この西宮で10月3日と4日、市内の8つの酒蔵が一つの会場に並ぶ「第30回記念 西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」が開かれました。会場は、商売繁盛の神様として知られる西宮神社です。毎年のこの行事には、輸出もしている産地が、自分たちをどう見せようとしているかがよく表れています。

震災から立ち直った酒のまちの30年

1995年の阪神・淡路大震災で、西宮の酒造業は大きな被害を受けました。立ち直った姿を全国に伝えたいという思いから始まったのがこのフェアです。運営するのは、地元の蔵元でつくる「西宮酒造家十日会」、西宮市、にしのみや観光協会、西宮商工会議所による実行委員会です。30回目の今年は、これまでの支援への感謝に加え、いま災害からの復興に取り組んでいる各地へ励ましを送る、という意味も込められました。

大手から地元の小さな蔵まで、8蔵が同じ境内に

境内の松林には、白鹿、白鷹、日本盛、大関、寶娘、德若、島美人、灘一の8社がブースを出し、有料の試飲と販売を行いました。海外でも流通する大手と、主に地元で飲まれている小さな蔵が、同じ条件で並ぶのがこの催しの特徴です。参道には市内の飲食店やキッチンカーが約30軒並び、おでんや唐揚げなど日本酒に合う料理も出されました。今回は記念企画として、蔵が運営する資料館や直売所など市内5か所をサテライト会場とし、神社との間を周遊バスで結びました。5か所の一つが、白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)です。一つの銘柄ではなく、まち全体を「酒の産地」として見せる手法は、海外市場での産地ブランドづくりにも通じます。

酒造り唄と「新酒番船」の記憶

オープニングセレモニーで記念の枡を手に一斉に乾杯する来場者
オープニングセレモニーで記念の枡を手に一斉に乾杯する来場者 — 画像提供: PR TIMES(西宮商工会議所)(プレスリリースより)

開幕式では、白鹿と大関の保存会が、蔵人(酒造りの職人)が作業しながら歌い継いできた「酒造り唄」を披露し、鏡開きが行われました。鏡開きは、酒樽のふたを木づちで割って祝う儀式です。乾杯には、伝統的な四角い酒器「枡」をかたどった、30回記念の透明なアクリル枡が800個限定で用意されました。もう一つの見どころは、江戸時代の「新酒番船」の再現です。当時は灘の新酒を江戸(現在の東京)へいち早く船で運ぶことが競われ、一番に着いた船は「惣一番」と呼ばれて祝われました。今回は蔵の有志がバンド演奏に合わせ、「惣一!」と声を掛けながら境内を練り歩きました。

ヨーロッパでこの産地を味わうなら、まずラベルや輸入元の説明にある「Nada」「Nishinomiya」「Hyogo」の表記を手がかりにしてください。白鹿や大関、日本盛のような大手の定番酒は比較的見つけやすいので、もし手に入れば、小さな蔵の酒と飲み比べてみるのもおすすめです。同じ地区の水と気候で造られた酒でも、蔵ごとの個性の違いに気づくかもしれません。フェアの屋台にならって、温かいおでんや唐揚げと合わせ、軽く燗をつけて楽しむのも、灘の酒らしい味わい方の一つです。

参考・出典

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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