The Sake Wire

日本初のFSC認証林のヒノキで造るクラフトジン

三重県の尾鷲ヒノキの枝葉を蒸留したクラフトジンが完成し、林業の副産物に新しい価値を与えている。

尾鷲ヒノキの枝葉を使った「三重県ジン by agataJapan」
尾鷲ヒノキの枝葉を使った「三重県ジン by agataJapan」 — 画像提供: PR TIMES(スターマーク)(プレスリリースより)

日本初のFSC認証林から生まれた香り

尾鷲ヒノキを使ったクラフトジンのボトルとボタニカル
尾鷲ヒノキを使ったクラフトジンのボトルとボタニカル — 画像提供: PR TIMES(スターマーク)(プレスリリースより)

東京のスターマーク株式会社は「県ジンプロジェクト by agataJapan」という企画を進めている。日本の47都道府県それぞれについて、その土地の特産品をボタニカルにしたクラフトジンを1本ずつ造るものだ。第21弾として完成したのが、本州中部の太平洋側にある三重県の「三重県ジン」である。主役のボタニカルは尾鷲ヒノキ。ヒノキは日本を代表する針葉樹で、尾鷲(おわせ)地方のものは質の高い木材として知られる。原料の木は、三重県紀北町で200年以上続く速水林業の森で育った。この森は2000年に日本で初めてFSC(森林管理協議会)の認証を受けた。100年後を見据えて間伐を行い、下草や広葉樹も含めて森全体の環境を守っている。

幹ではなく、手入れで出る枝葉を蒸留

ジンの原料となる針葉樹の新鮮な枝葉
ジンの原料となる針葉樹の新鮮な枝葉 — 写真: Wyxina Tresse(Pexels)

このジンに使われるのは、木材になる幹ではない。森の手入れの途中で切り落とされる枝葉だ。林業の副産物を酒の香りに変える取り組みといえる。ヒノキの爽やかな香りをそのまま表現するため、森で香りを放っている状態に近いフレッシュな枝葉を蒸留した。ジンの骨格となるジュニパーベリーもヒノキと同じヒノキ科の植物で、両者はよく調和するという。造り手によると、グラスに注ぐと森に足を踏み入れたような清涼な香りが立つ。口に含むとヒノキとジュニパーが重なり、後には木立の空気のような余韻が残る。製造はタテヤマブルーイング株式会社。500ml、アルコール度数40%で、日本での価格は6,600円(税込)。

ヨーロッパの読者はこう楽しむ

ソーダで割ったジンのハイボール
ソーダで割ったジンのハイボール — 写真: Arina Krasnikova(Pexels)

開発チームがすすめる飲み方は二つ。香りが軽やかに開くソーダ割りと、ヒノキをより深く味わえるロックだ。さらに、三重県産のゆずと生姜を使った伊勢の山二造酢のクラフト酢で割る飲み方も提案している。ヨーロッパで試すなら、ゆず果汁と生姜シロップを少量加えたソーダ割りで近い雰囲気を楽しめるだろう。販売は日本のオンラインショップや飲食店が中心で、ベトナムなど各国への展開もうたわれている。ただし、ヨーロッパでの具体的な取り扱いは発表されていない。注目したいのは、ヨーロッパでもなじみのあるFSC認証が、日本の森の持続的な管理と一杯のジンを結びつけている点だ。日本産ジンには木の香りを生かしたものもあり、飲み比べるとこの一本の個性が見えてくるかもしれない。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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