The Sake Wire

規格外の獺祭をジンに再生 LAST「EN -縁-」

東京の蒸留所が、規格に届かなかった獺祭と14種の食品副産物から、日本の食文化の「縁」を映すクラフトジンを生み出した。

ボタニカルを浮かせたクラフトジンのグラス(ジンそのものを印象づけるイメージ)
ボタニカルを浮かせたクラフトジンのグラス(ジンそのものを印象づけるイメージ) — 写真: Ross Sneddon(Unsplash)

日本酒の世界的なブランド「獺祭(Dassai)」のなかで、製品の規格に届かなかった酒をもう一度生かす試みが形になりました。東京・蔵前(Kuramae)に蒸留所を構えるエシカル・スピリッツ(Ethical Spirits)のジンブランド「LAST」は、2026年4月7日に新作「LAST EN -縁-」を発売しました。価格は日本国内で200mlが1,500円、700mlが3,500円です。ベースには、規格外の獺祭を蒸留した「日本酒スピリッツ」を使っています。捨てられるはずだった素材から価値を生む「アップサイクル」の考え方を、ジャパニーズジンで示した一本です。

日本酒を蒸留してジンのベースに

日本酒を蒸留する小型の銅製蒸留器のイメージ
日本酒を蒸留する小型の銅製蒸留器のイメージ — 写真: Tiago Antonio(Pexels)

ジンは多くの場合、穀物などから造った中性的なスピリッツに植物の香りを移して造ります。LAST EN では、そのベースに日本酒を蒸留したスピリッツを使っています。もとが米の醸造酒なので、まろやかさと奥行きのある味わいが出るといいます。日本には、品質や見た目が一定の基準に合わず商品にならない酒や食材を惜しむ「もったいない」という言葉があります。このジンは、その考え方を出発点にしています。

14種の「もったいない」素材と、縁を描くボトル

ジンの香り付けに使われる柑橘の皮や茶葉などの和素材のイメージ
ジンの香り付けに使われる柑橘の皮や茶葉などの和素材のイメージ — 写真: Mavi Atlas(Unsplash)

香り付けには、日本航空やハウス食品グループなど、日本の企業や生産者から提供された14種の副産物を使っています。ゆずの皮、お茶を淹れた後の緑茶の茶葉、漬け込みに使った後の梅、桜の花、コーヒーの粉、生姜の葉、茗荷(みょうが:日本の香味野菜で、ショウガの仲間)の茎などです。和の素材が中心で、ジンに独特のアクセントと奥行きを加えています。蒸留責任者の山口歩夢(Ayumu Yamaguchi)氏は、これまで生産者と築いてきたつながり、つまり「縁」をすべて注ぎ込んだジンだと説明しています。ボトルには、2025年の大阪・関西万博にも作品を出した現代アーティストNAGONが描いた「円相」を使っています。円相は、禅の考え方を表す、筆でひと息に描いた円です。素材と人と自然を結ぶ縁を表しています。

ヨーロッパでの楽しみ方

魚介のパスタ ― ヨーロッパの食卓でジンと合わせる一例
魚介のパスタ ― ヨーロッパの食卓でジンと合わせる一例 — 写真: Nadin Sh(Pexels)

このジンは、魚介のうま味を引き立てる味わいが特徴とされています。茗荷や生姜の葉による和ハーブの力強い風味があるので、刺身だけでなく魚介のパスタなど洋食全般にも合わせやすいとされています。北海の魚介や地中海の料理になじんだヨーロッパの食卓でも、試しやすい一本でしょう。手に入れるなら、ジャパニーズジンを扱う専門店や輸入業者に問い合わせるのが近道です。まずは少量のストレートで日本酒由来のまろやかさを確かめ、そのあとソーダで割って和の素材の香りの重なりを楽しむ方法もあります。ラベルに描かれた円相にも目を向けると、このジンが伝えようとしている「縁」がより身近に感じられるかもしれません。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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