日本の蒸留酒祭、酒蔵発のジンとライスウイスキーが存在感
9月26・27日に東京で開かれた「JAPAN SPIRITS FESTIVAL 2026」の出品リストから、日本の蒸留酒の今と欧州で注目したい点を読み解く。

日本各地の蒸留所が集まる「JAPAN SPIRITS FESTIVAL(ジャパン・スピリッツ・フェスティバル)」の4回目が、2026年9月26日と27日に東京・大手町のオフィスビル「大手町ゲートビルディング」で開かれた。国税庁が後援するこのイベントは入場無料で、来場者は会場で買ったコインを各ブースで試飲と交換する仕組みだった。主催者が事前に公表した出展リストには、北は北海道の利尻島から南は沖縄まで、40近い造り手の名前が並んだ。ウイスキー、ジン、ラム、そして日本固有の蒸留酒である焼酎と泡盛までがそろっている。リストを読むと、日本の蒸留酒がいまどこへ向かっているかが見えてくる。
日本酒蔵が造るスピリッツと「ライスウイスキー」

日本酒の輸入業者として特に目を引いたのは、日本酒蔵が手がける蒸留酒の多さだ。青森の日本酒「田酒」で知られる西田酒造店は、日本酒を搾った後に残る固形分「酒粕」を蒸留した「粕取焼酎」とジンを出品した。酒粕は昔から料理に使われてきた副産物で、近年はクラフトジンの原料として生かす動きも広がっている。新潟の「久保田」で有名な朝日酒造のKUBOTA GINは、国際的なスピリッツ品評会の受賞酒を集めた特設ブースに並んだ。さらに「ライスウイスキー」の特別ブースも設けられ、日本酒「八海山」の蔵元によるHakkaisan魚沼8年などが紹介された。日本酒の原料である米を、ウイスキーという世界共通の言語で表現する試みと言える。同じ受賞酒ブースには、ロンドンのInternational Spirits Challenge(ISC)で全部門の頂点「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」に選ばれた山崎18年も並んだ。
焼酎・泡盛・ラムに見る日本の多様性

出展者の半数近くは焼酎の造り手だった。焼酎は芋・麦・米・黒糖などを原料に、一度だけ蒸留して素材の風味を残す日本の伝統的な蒸留酒で、沖縄の泡盛もその仲間にあたる。今回は樽で熟成させた焼酎や、イベント限定のボトルが目立った。沖縄のヘリオス酒造や多良川はラムを、鹿児島の造り手はラムやウイスキーを出品し、焼酎の蔵が新しいジャンルへ広がっている様子もうかがえた。ジンでは山椒(日本の柑橘系スパイス)やわさび、抹茶などを使った、日本らしいボタニカルの銘柄が多く見られた。
輸出業者も招いたプロフェッショナルタイム
両日とも正午から14時までは、酒販店や飲食店、輸出業者などの業界関係者向けの「プロフェッショナルタイム」とされた。主催者が輸出業者を対象に明記している点からも、国内の愛好家向けの祭りにとどまらず、商談の場として育てようとしていることがわかる。
ヨーロッパでこの流れを楽しむなら、まずは酒販店で日本のジンと熟成焼酎を探してみてほしい。焼酎はソーダ割りやお湯割りで香りが開き、食中酒にもなる。ライスウイスキーや酒粕から生まれた蒸留酒は、日本酒好きなら飲み比べるとおもしろい。ラベルに「Honkaku Shochu」「Awamori」「Rice Whisky」とあれば、今回の祭りに並んだ日本の蒸留酒の世界への入り口になる。
参考・出典
- PR TIMES / ジャパンスピリッツフェスティバル「【今週末9月26日27日開催!】日本の蒸留酒祭「 JAPAN SPIRITS FESTIVAL 2026 」出展メーカー・出品酒発表!東京・大手町ゲートビルディングにて開催!入場無料!」
- SAKE Street「酒粕の再利用状況を探る - 廃棄率/再利用率の統計や取り組み事例など、最新情報レポート」
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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