酒造業界団体が総会、原料米確保と酒蔵の承継支援へ
日本の酒造メーカー約1600社が加盟する業界団体が総会を開き、原料米を安く安定して確保することと、酒蔵の事業承継を支援することを今後の課題に挙げた。

業界をまとめる「日本酒造組合中央会」とは
日本酒造組合中央会(Japan Sake and Shochu Makers Association)は、清酒と本格焼酎のメーカーなど全国の約1600社が加盟する業界団体です。本格焼酎とは、米・麦・芋などを原料にして、単式蒸留で造る焼酎のことです。中央会は1953年に法律に基づいて設立され、各都道府県の酒造組合をまとめる役割を担っています。現在の主な仕事は三つあります。一つ目は、国内外で日本酒の需要を広げるためのプロモーションです。二つ目は、原料や資材の共同調達などを通じた経営支援です。三つ目は、酒税の制度や手続きをめぐる行政との調整です。また、毎年5月に開かれる全国規模の品評会「全国新酒鑑評会」を、国の研究機関である酒類総合研究所と共同で主催しています。
原料米の価格高止まりに危機感

中央会は6月5日、東京都内で通常総会を開きました。大倉治彦会長(京都の大手酒造会社・月桂冠の社長)はこの場で、日本酒の原料となる米の価格が高いまま下がらない状況に触れました。このままでは必要な量を確保できなくなるおそれもあると指摘し、適正な価格で安定して米を調達できるよう、水田での米づくりに関する国の政策(水田政策)に政府の支援を求めました。日本酒は米と水、そして米に麹菌を繁殖させた「麹」から造られる酒です。そのため原料米の価格と量は、酒蔵の経営にも酒の値段にも直接響きます。
新たに酒蔵の事業承継を支援へ
大倉会長はさらに、中央会として酒蔵の事業承継を支援する事業を新たに始める方針を明らかにしました。蔵元が将来も事業を続けられる環境を整えることが目的です。日本には、家族が代々受け継いできた中小規模の酒蔵が数多くあります。次の世代にどう引き継ぐかは、蔵が存続できるかどうかに直結する問題です。ただし、支援の具体的な内容は今回の報道では明らかにされていません。
ヨーロッパで日本酒を選ぶときにも、この二つの話題は意外と身近です。原料米のコストが上がれば、いずれ輸入される日本酒の価格にも影響する可能性があります。ボトルの裏ラベルや輸入元の説明では、使われている米の品種や精米歩合に注目してみてください。精米歩合は、精米したあとに残る米の割合を示す数字で、低いほど米を多く削っていることを意味します。一般に、低いほど雑味の少ない繊細な味わいになりやすいとされます。この数字を見れば、一本の酒にどれだけの米が使われているかが想像しやすくなります。また、小さな家族経営の蔵の酒を選んで飲むことは、その蔵が次の世代へ続いていくことへの小さな応援にもなります。
参考・出典 https://news.nissyoku.co.jp/news/oka20260609110016235 https://sakestreet.com/ja/media/interview-with-jss-about-sake-production-license https://sakestreet.com/ja/media/what-is-japan-sake-award
参考・出典
- 日本食糧新聞「日本酒造組合中央会、総会開催 原料米の安定確保へ」
- SAKE Street「日本酒の未来に向けた希望は誰が担えるのか? - 新規免許解禁について業界団体に聞いてきた」
- SAKE Street「「全国新酒鑑評会」とは?金賞ってすごいの?注目の日本酒コンテストを徹底解説!」
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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