The Sake Wire

日本ビール大手4社にカルテル疑惑、公取委が強制調査

日本の公正取引委員会がアサヒ・キリン・サントリー・サッポロの4社を強制調査し、数年にわたる出荷価格調整の疑いで刑事告発も視野に入れている。

グラスに注がれた日本のラガービール(イメージ)
グラスに注がれた日本のラガービール(イメージ) — 写真: engin akyurt(Unsplash)

10月7日、日本の公正取引委員会(JFTC、日本の競争当局)が、アサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロビールの大手4社を強制調査しました。疑いは独占禁止法違反(不当な取引制限)です。時事通信が関係者への取材で報じたもので、公取委は検察への刑事告発も視野に入れているといいます。日本のビール市場はほぼこの4社で占められており、その業界構造にも注目が集まっています。

疑われているのは「値上げの足並み」

ビールを注ぐグラスのイメージ
ビールを注ぐグラスのイメージ — 写真: Milada Vigerova(Pexels)

報道によると、4社には、卸売業者に出すビールの出荷価格を数年にわたって調整していた疑いがあります。対象はビールだけではありません。麦芽の比率を抑えた「発泡酒」や、麦芽以外の原料などを使って税負担を軽くした「第三のビール」も含まれます。どちらも日本の酒税制度から生まれた独自のカテゴリーです。各社の営業課長らは、値上げの時期や上げ幅の情報を共有していた可能性があるとされます。業界団体の活動の一環として「一木会(いちもくかい)」という会合を定期的に開いていたといいます。

刑事事件に発展する可能性

卸売りの倉庫に積まれたビールケース(イメージ)
卸売りの倉庫に積まれたビールケース(イメージ) — 写真: Jason Leung(Unsplash)

今回の調査は、公取委の「犯則調査」権限に基づいています。行政処分だけで終わらせず、刑事告発を前提に証拠を集めるための強い権限です。公取委がこの権限を使うのは、昨年9月の軽油カルテル事件以来となります。公取委の岩成博夫事務総長は7日の記者会見で、原材料費の上昇などを理由とする値上げ自体は問題にしないと述べました。そのうえで、価格は各社が独立して決めなければならないと強調しています。

市場規模は、ビールが約1兆円、発泡酒が約4000億円とされます。カルテルが認定されれば、対象期間の売上高などをもとに課徴金(行政上の制裁金)が算出され、市場が大きい分だけ巨額になる可能性があります。4社はいずれも、公取委の調査に全面的に協力するとのコメントを出しています。

ヨーロッパの読者が注目したい点

木のカウンターに置かれた一杯のラガー(イメージ)
木のカウンターに置かれた一杯のラガー(イメージ) — 写真: cottonbro studio(Pexels)

今回の疑いは日本国内の卸向け価格に関するもので、現時点ではまだ認定された事実ではありません。今後の焦点は、公取委が実際に告発に踏み切るか、そして課徴金がどの程度の規模になるかです。日本のビールを飲むときは、「ビール」「発泡酒」「第三のビール」の区分が日本の税制に由来する違いだと知っておくと、味わいの差も理解しやすくなります。大手4社の寡占に改めて注目が集まる今、日本のクラフトビールや小さな蔵の日本酒にも目を向けてみてください。日本のお酒の多様さが、より立体的に見えてくるかもしれません。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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