醸してから抜く、ノンアルSAKE「囃子」登場
山形の老舗蔵・小嶋総本店が、実際に醸した純米酒からアルコールを抜いたノンアルコールSAKE「囃子」を10月15日に日本で発売した。

「似せる」のではなく「醸してから抜く」

造ったのは、山形県米沢市(本州北部)の小嶋総本店です。1597年に創業した蔵で、「東光」などの銘柄で知られ、醸造アルコールを加えない純米酒だけを造っています。純米酒とは、米と米麹(蒸した米に麹菌を育てたもの)と水だけで造る日本酒のことです。これまでのノンアルコール日本酒の多くは、糖類などを調合して日本酒の味に近づけた飲料でした。「囃子」は実際に純米酒を醸し、そのあと独自の方法でアルコールを取り除いています。脱アルコールはビールやワインでは一般的な技術ですが、蔵は自社調査をもとに日本酒では「世界初」としており、製法は特許出願中です。開発にはのべ4年かかりました。
メロンと梨の香り、細かな泡

香りは熟したメロンや瑞々しい梨を思わせます。吟醸酒(低温でゆっくり発酵させ、果物のような香りを引き出した日本酒)に近い香りです。麹から来るやさしい甘みと旨味に、細かな泡と爽やかな酸が重なります。蔵は、苦みが中心のノンアルコールビールや、酸が中心のノンアルコールワインとは違う「旨味」の飲み物だと説明しています。英国の国際コンペティション「IWSC 2026」ではノンアルコール部門でブロンズを受賞しました。蔵によれば、ノンアルコールSAKEがメダルを取ったのはこれが初めてです。ロンドンのノンアル・低アル専門店Club Sodaも発売前に試飲し、メロンから米の風味へと移り、ココナッツのような余韻が残ると評しました。
日本酒と同じ一杯として

アルコール分は0.1%未満で、日本の法律では炭酸飲料に分類されます。300mL瓶で、冷蔵での保存が必要です。当面は日本国内の飲食店向けに、蔵と契約した酒販店を通じて販売し、一般の小売は行いません。蔵が想定しているのは、日本酒と同じ価格帯でコース料理に組み込み、お酒を飲まない客にも同じ満足感を届ける使い方です。
現時点で、ヨーロッパでの発売は発表されていません。ただ、蔵元の小嶋健市郎氏は輸出で各国を回るなかで開発を思い立ったと語っており、発売前に英国の専門店で試飲してもらったことからも、海外を視野に入れていることがうかがえます。見かけたら、よく冷やして香りの開くワイングラスに注ぎ、寿司や魚介、出汁を使った料理と合わせてみてください。ノンアルコールペアリングに力を入れるレストランや、ノンアル専門店の品ぞろえも注目どころです。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
秋田の酒を EU で試す — €6 から
180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

