The Sake Wire

ゴジラの曲で熟成させた赤ワイン、北海道・十勝から

北海道のワイナリーが、伊福部昭のゴジラ音楽の振動で143日間熟成させた赤ワインを、新作映画の公開日の11月3日に発売する。

北の産地で実る、赤ワイン用の黒ブドウ
北の産地で実る、赤ワイン用の黒ブドウ — 写真: Ekaterina Swiss(Pexels)

143日間、ゴジラの低音を浴びた赤ワイン

ステンレスタンクが並ぶワイナリーの醸造室
ステンレスタンクが並ぶワイナリーの醸造室 — 写真: Magda Ehlers(Pexels)

北海道東部の十勝地方、音更町(おとふけちょう)にある十勝ぶどう園の醸造所「十勝が丘ワイナリー」が、映画「ゴジラ」の音楽による振動で熟成させた赤ワインを商品化しました。原料は、昨年の秋に自園で収穫した有機栽培の山幸(やまさち)です。山幸は北海道で生まれた、寒さに強い赤ワイン用のブドウ品種です。今年3月12日から8月2日にかけて、タンクと樽に順番に振動装置を取り付け、合計143日間、24時間休まず音楽を流し続けました。

音響メーカーの特許技術と、音楽を聴かせない対照ワイン

音響振動を利用した熟成技術のイメージ
音響振動を利用した熟成技術のイメージ — 写真: Robert Schrader(Pexels)

技術を提供したのは、大阪の音響機器メーカーのオンキヨーです。同社は自社で開発した加振器で酒を熟成させる手法の特許を持ち、大学などとの共同研究で、その効果を数値でも示してきました。この技術は日本各地の酒蔵やワイナリーで使われていますが、ゴジラの楽曲を使った商品は今回が初めてだといいます。流したのは、作曲家の伊福部昭(いふくべ・あきら)によるゴジラ曲を中心とした24曲を、オンキヨー側が約4分に編集した音源です。これまでの知見をもとに、熟成に合う周波数を考えて編集したと説明されています。

効果を比べるため、振動を加えないことだけが違うワインも同じ方法で造りました。テイスターによる飲み比べでは、振動を加えたワインは「若いワインに特有の鋭さが和らいだ」「果実の香りにまとまりが出た」と評価されました。中林司醸造責任者とともに発表に臨んだ中村利雄代表は、今後は客観的なデータも集めていくとしたうえで、重厚な低音が熟成に良い影響を与えたとの手応えを語っています。

作曲家ゆかりの町から、新作の公開日に発売

ゴジラのメインテーマで知られる伊福部昭は、音更町にゆかりのある作曲家です。企画は、オンキヨーと連携協定を結ぶ旅行会社の日本旅行北海道から町に持ち込まれ、配給元の東宝からも許可を得ました。発売日は新作映画が日本で公開される11月3日です。ラベルには、北海道を舞台にしたシリーズ18作目のゴジラのイラストを使っています。価格は税別で、振動を加えたワインが6000円、対照ワインが4500円。限定600本で販売されます。

本数が少ないため、このワインがヨーロッパで手に入る可能性は高くありません。それでも、この話を楽しむ方法はあります。まずは日本ワインを扱う専門店や輸入業者のリストで、北海道の山幸を探してみてください。日本の固有品種を知る良い入口になります。また、同じ振動熟成の技術は日本酒の蔵でも使われています。蔵の説明に「加振熟成」とあれば、若い酒の鋭さがどう変わるのかを意識しながら、普通に熟成させた酒と飲み比べてみるのも面白いでしょう。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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