水割りの香りは「水」で変わる LIXILがウイスキーで検証
日本の住宅設備メーカーLIXILが、水割りに使う水のアルカリ度がウイスキーの果実のような香りの残り方を左右することを研究で示した。

アルカリ度の高い水ほど、華やかな香りが残る
LIXILは浄水器などの水まわり製品を手がける日本の企業で、2026年8月に仙台で開かれた日本食品科学工学会の第73回大会でこの研究を発表した。注目したのは水の「アルカリ度」だ。水に含まれる炭酸水素塩などが酸を中和する力を示す指標で、水のpHを一定に保とうとする強さを表す。同社は2024年にも、緑茶や紅茶、コーヒーの風味にアルカリ度が大きく影響すると発表している。今回はアルカリ度を0、50、100、300mg/Lの4段階に調整した水で市販のウイスキーを割り、76種類の香り成分を分析した。その結果、果実のような華やかな香りをもたらす「ジエチルアセタール」という成分が、アルカリ度の高い水で割るほど多く検出された。
香り成分が守られる仕組み

この仕組みを確かめるため、研究チームは目印をつけたジエチルアセタールをウイスキーに加えて水割りを作った。アルカリ度の低い水では、この成分が水と反応して分解されやすかった。一方、アルカリ度の高い水では分解が抑えられていた。この種の分解は酸性寄りの条件で進みやすいとされ、実際にアルカリ度の高い水で割ったウイスキーはpHも高かった。つまり、水がpHの低下を防ぐことで、ウイスキー本来の香り成分が守られていると考えられる。
同じボトルでも、街の水道水で違いが出る

さらに、アルカリ度が異なる日本の3都市の水道水、福岡(20mg/L)、大阪(45mg/L)、東京(80mg/L)でも同じ試験を行った。その結果、アルカリ度の高い都市の水ほどジエチルアセタールが多い傾向が見られた。同じウイスキーでも、どの土地の水で割るかによって香りの感じ方が変わりうることになる。
ヨーロッパでも、水道水の性質は地域によって大きく異なる。家で水割りを楽しむなら、同じウイスキーを水道水とボトル入りの水で割り比べてみるとよい。ミネラルウォーターのラベルに炭酸水素塩(HCO3)の量が書かれていれば、アルカリ度の目安になる。日本では焼酎や日本酒を水で割って飲むこともあるが、今回の研究はウイスキーだけを対象にしており、ほかのお酒にも同じ効果があるかはまだ分かっていない。グラスを並べて、自分の鼻で確かめてみるのも楽しい。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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