下北半島唯一の酒蔵・関乃井酒造が事業停止
青森県むつ市で135年続いた下北半島唯一の酒蔵・関乃井酒造が関係会社とともに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。
半島でただ一つの蔵が止まる
本州最北の県・青森県の北東部に、斧のような形で突き出た下北半島があります。その中心都市むつ市で、半島唯一の造り酒屋だった関乃井酒造と、関係会社で卸売を担う関酒造店が、7月31日までに事業を停止しました。青森朝日放送(ABA)が帝国データバンクなどの情報として伝えたところでは、2社は今後の処理を弁護士に任せ、自己破産の申請に向けた準備に入っています。関酒造店は1891年の創業で、1984年に製造部門が関乃井酒造として独立しました。以後は製造と卸売を分担しながら、看板銘柄の「関乃井」のほか、特定名称酒(原料や精米の度合いなどの基準を満たした上位の日本酒)の「寒立馬」などを造ってきました。
売上の推移が示す地方蔵の厳しさ

関乃井酒造の売上高は、2015年6月期に約1億100万円ありましたが、2025年6月期には約6300万円まで減っていました。卸売の関酒造店も、2010年5月期の約6億7600万円から2025年5月期には約3億1300万円と、半分以下になっています。背景として挙げられているのは、地元経済の停滞と、外部の企業が地域に入ってきたことによる売上の低迷です。負債は2社合わせて約7億2600万円とみられます。地元では店の貼り紙で事態を知って驚く住民もいて、むつ市の山本知也市長は強いショックを受けたと述べ、商工会議所やハローワーク(公共職業安定所)と連携して支援にあたる考えを示しました。
海外の日本酒好きにとっての意味
日本酒の輸出が伸びている一方で、地元の消費に頼る小さな蔵の多くは、人口の減少や地域経済の縮小に直接さらされています。海外の評価が高まっても、それがすべての蔵に届くわけではありません。ヨーロッパの読者がこの話を楽しみに変えるなら、輸入リストや酒販店で、大手ではない地方の小さな蔵の酒を意識して選んでみることです。ラベルに書かれた県名や蔵の創業年に目を向け、特定名称酒の表示(純米・吟醸など)も手がかりにすると、その土地ならではの一本に出会いやすくなります。一つの蔵が消えると、その土地の味も一つ失われます。今ある地方蔵の酒に関心を寄せることが、その味を残すことにつながります。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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