The Sake Wire

熊本・山鹿蒸溜所が熟成庫を倍増 九州ウイスキーの厚み

熊本県の山鹿蒸溜所が約5億円を投じて貯蔵庫を新設し、ウイスキーの熟成能力を2倍超に引き上げた。

日本の南西に位置する九州で、ウイスキーづくりへの投資が続いています。日本経済新聞によると、熊本県山鹿市の山鹿蒸溜所は約5億円を投じて新しい貯蔵庫を建て、原酒を寝かせる熟成能力を従来の2倍超に高めました。大分県や鹿児島県でも蒸溜所への投資が続いており、九州はジャパニーズウイスキーの産地として存在感を増しています。

熟成庫への投資が意味するもの

積み重ねられたオーク樽のクローズアップ
積み重ねられたオーク樽のクローズアップ — 写真: Geert Rozendom(Pexels)

今夏完成した「菊鹿貯蔵庫」は、200リットル樽を3360丁、500リットル樽を840丁収められる規模です。単純計算で、樽の容量は合計100万リットルを超えます。ウイスキーは蒸溜しただけでは完成せず、樽の中で何年も眠らせることで色や香り、まろやかさが生まれます。日本では業界団体の自主基準で、「ジャパニーズウイスキー」と名乗るには国内で3年以上の熟成が求められます。つまり熟成庫の拡張は、数年後に市場へ出せる原酒の量を増やすための、時間のかかる先行投資だと言えます。

九州が産地として厚みを増す

蒸溜所の蒸留器(イメージ)
蒸溜所の蒸留器(イメージ) — 写真: Tiago Antonio(Pexels)

九州はもともと焼酎の一大産地で、蒸溜の技術と文化が根づいた土地です。記事によれば、熊本だけでなく大分や鹿児島でも蒸溜所への投資が続いており、ひとつの地域に複数の造り手が集まりつつあります。造り手が増えれば、気候や水、樽の使い方の違いがそれぞれの個性になり、産地としての評価も高まりやすくなります。スコットランドの各地域のように、「九州のウイスキー」が一つのまとまりとして語られる日が来るかもしれません。

今回の動きは、すぐに店頭のボトルが変わる話ではありません。ただ、熟成能力が増えたことで、数年後には熟成年数のはっきりした原酒が増え、輸出に回せる量にも余地が生まれる可能性があります。ヨーロッパでジャパニーズウイスキーを選ぶ際は、ラベルの産地表示に注目し、熊本や大分、鹿児島といった九州の名前を探してみてください。若い原酒は果実味が明るく、ハイボールにすると個性がつかみやすいとされます。同じ蒸溜所の熟成年数違いを味わい比べ、樽で過ごした時間による変化をたどる楽しみ方もあります。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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