焼酎輸出16%増、ウイスキーの次を狙う
2025年の日本の本格焼酎輸出は前年比16%増となり、ウイスキーが根付いた欧州で次の蒸留酒として焼酎を売り込む動きが進んでいる。

日本酒造組合中央会(Japan Sake and Shochu Makers Association)の発表によると、2025年の乙類焼酎の輸出額は15億6,000万円で、前年から16%伸びました。乙類焼酎は単式蒸留器で一度だけ蒸留する焼酎で、「本格焼酎」とも呼ばれます。米や麦、芋など原料の風味がはっきり残るのが特徴です。主な輸出先は中国や韓国などの東アジア、シンガポールやベトナムなどの東南アジア、それに米国とカナダです。欧州の国は、金額でも数量でも上位10カ国に入っていません。
欧州で先に評価された日本のウイスキー

それでも欧州に可能性があると見られているのは、ウイスキーの実績があるからです。農林水産省の2025年の品目別輸出実績では、日本産ウイスキーの輸出先としてオランダが3位(61億4,000万円)、フランスが4位(36億4,000万円)に入りました。EU向けは合計106億7,000万円で、ウイスキー輸出全体の2割強にあたります。日本の業界は、この流れに続いて同じ蒸留酒である焼酎を欧州に広げようとしています。日本貿易振興機構(ジェトロ)は以前から欧米での焼酎の販路開拓を支援しており、欧州で熊本県の球磨焼酎の商談会を開いたり、海外のバイヤーを産地に招いたりしてきました。球磨焼酎は熊本県人吉・球磨地域で国産米を主原料に造られる米焼酎で、産地を限定した地理的表示(GI)の保護を受けています。
ロンドンのすし店が採用した樽熟成の米焼酎

欧州での具体的な例がロンドンにあります。2025年5月に開店したすし店「eel sushi」は、ミシュラン1つ星の「Dorian」のオーナー、Chris D’Sylva氏が手がける店です。この店では2025年10月から、球磨焼酎の最大手である高橋酒造(熊本県人吉市)の「金しろ」を出しています。金しろは複数の樽で熟成させた本格米焼酎で、ウイスキーのような豊かな香りがあります。採用のきっかけは、隣のギャラリー「Keiko Uchida」で開かれた招待制のレセプションでした。高橋酒造がゲスト向けにこの焼酎を振る舞い、試飲した店の関係者がその場で取り扱いを決めたといいます。
「入り口」になる味わいを選ぶ

高橋酒造の海外営業本部の出来田秋美氏は、樽熟成でウイスキーに近い風味を持つ金しろは海外の人にもなじみやすく、焼酎を知ってもらうきっかけになると話しています。同社は、日本酒に近い香りを持つ「銀しろ」など、現地の人が受け入れやすい味の商品を中心に海外販売を広げる考えです。
ヨーロッパでまだ焼酎を飲んだことがない人は、ウイスキーやジンを選ぶときと同じように、原料と造り方に注目して選ぶとよいでしょう。ラベルに「本格焼酎」や「球磨焼酎」とあれば単式蒸留の焼酎で、原料の個性が出ています。ウイスキー好きなら樽熟成の米焼酎から、日本酒好きなら香りの華やかなタイプから試すと入りやすいかもしれません。まずはストレートかロックで香りを確かめ、その後で水割りにして変化を楽しんでみてください。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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