日本酒、スペイン市場へ アリメンタリアに初の日本館
日本の国税庁が、バルセロナで開かれた南欧最大級の食品見本市に日本産酒類のパビリオンを初めて出し、生ハムやタパスと合わせて日本酒を紹介した。

日本の酒類行政を担う国税庁は、2026年3月23日から26日までスペイン・バルセロナで開かれた食品見本市「アリメンタリア2026」に、日本産酒類のジャパンパビリオンを初めて出展しました。ジェトロ(日本貿易振興機構)の報告によると、参加したのは9の企業・団体です。日本酒やリキュールの造り手、商社、輸出物流会社、長期熟成酒(古酒)を広める団体に加え、スペイン側の輸入業者も加わりました。現地の流通網と組んだ出展です。スペイン向けの日本産酒類の輸出額は、規模こそまだ小さいものの、伸びています。
タパスや生ハムと合わせて試飲
会場には幅広い酒が並びました。白く濁ったにごり酒、天然の乳酸菌を時間をかけて育てる伝統的な酒母づくり「生酛(きもと)」の日本酒、梅酒や柚子酒といったリキュール、さらに日本のクラフトジンまでです。ブースでは毎日、スペインのタパスや生ハム、日本産のハマチやマダイと合わせて飲み比べができ、来場者は日本の酒の幅広さを味わえました。
セミナーでは、スペインの日本酒輸入会社S&Aのパブロ・アロマール社長が登壇しました。日本酒は蒸留酒ではなく、うま味をもつ醸造酒で、ワインと同じように食事と一緒に楽しめる、と説明しました。続いて、ミシュランガイドで一つ星を得たバルセロナの日本料理店「Koy Shunka」のオーナーシェフ、松久秀樹氏が料理との組み合わせを実演しました。松久氏は、日本酒は口の中の料理を流し去るのではなく、料理と溶け合って味わいを広げる酒だと話しました。
日本国内の商談会から生まれた取引

出展者のひとつ、岩手県(本州北東部)の金ケ崎薬草酒造は、ジェトロが日本で開いた食品輸出の商談会でスペインのバイヤーと取引がまとまり、今回はじめて現地の見本市に出展しました。各社の戦略はさまざまで、輸入業者の販路を生かす会社もあれば、日本酒カクテルを広めようとする会社もありました。
2025年に日本からスペインへ輸出された酒類は約3億2,000万円でした。輸出先としては世界26位にとどまりますが、過去3年で45%伸びています。国税庁は、国内の造り手と輸出商社を結ぶ「日本産酒類輸出促進コンソーシアム(SAKE-CONSO)」を通じて海外展開を後押ししています。担当者は、日本と似た食文化をもつスペインで市場がさらに広がることに期待を示しました。
50周年を迎えた南欧の一大商談の場

アリメンタリアは今回で50周年を迎えました。約120カ国から約11万人が来場し、出展は3,300社を超えました。外食向け設備の見本市「ホステルコ」と同時に開かれるため、食品バイヤーだけでなく、シェフやソムリエなど飲食業の関係者も多く訪れる企業向けの商談の場です。次回は2028年3月20日から23日に開かれる予定です。
ヨーロッパで日本酒に触れる機会があれば、「和食専用の酒」と決めつけず、地中海の料理と合わせてみるのも一案です。生酛造りの日本酒は酸味としっかりしたうま味があり、熟成した生ハムやオリーブ、魚介のタパスと合わせやすいとされます。にごり酒や柚子酒は、食前酒やカクテルにも使われます。スペインやポルトガルの日本料理店、ワインバーには日本酒を置く店もあります。リストで造り方(生酛など)やスタイルを確かめると、料理との相性の見当がつけやすくなります。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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