白鶴、紙パック専用の新工場を神戸・灘に開設
白鶴酒造が神戸市灘区に紙パック専用の充填工場を開設し、他社の酒類の受託充填にも乗り出した。

白鶴酒造(Hakutsuru Sake Brewing)は2026年4月1日、神戸市灘区に紙パック製品専用のボトリング工場「灘大石工場(Nada Oishi Plant)」を開設しました。神戸の灘は、江戸時代から続く日本有数の日本酒の産地です。新工場は、3月31日に事業を終えた関西ボトリング(Kansai Bottling)から充填ラインの一部を引き継いだもので、約2か月の保守工事と調整を経て、6月から本格稼働しています。自社の紙パック製品を安定して供給するだけでなく、他社のアルコール飲料の充填も請け負うとしています。
瓶ではなく紙パック。日本の日常酒を支える設備
日本のスーパーでは、日常的に飲む日本酒の多くが瓶ではなく紙パックで売られています。軽くて割れにくく、光を通さないため、家庭で毎日飲むお酒の容器として定着してきました。灘大石工場の設備は紙パック充填ライン1本で、能力は1時間あたり3,200本です。パックの底面は60角・70角・85角の3サイズに対応し、容量は300mlから2,000mlまで6種類を充填できます。対象は日本酒に限らず、梅酒(梅を漬け込んだリキュール)、焼酎(日本の蒸留酒)、その他のリキュールにも対応します。敷地面積は4,383㎡で、3階建ての生産棟、貯蔵棟、倉庫からなります。投資額は公表されていません。
受託充填が示す業界の変化

今回の発表でもう一つ注目したいのは、受託充填事業を強化する点です。白鶴はすでに神戸市東灘区の灘魚崎工場で他社製品の充填を請け負っており、新工場でも同じ体制をとります。容器の形や容量を柔軟に選べる設備をそろえ、取引先の商品づくりを支える考えです。充填専門の会社が事業を終えたあと、大手の酒蔵がその設備と役割を引き継いだかたちで、日本の酒類業界で生産設備の集約が進んでいることがうかがえます。小規模な造り手にとっては、自前で設備を持たなくても紙パック商品を出せる選択肢が残ったことになります。
ヨーロッパでの楽しみ方
ヨーロッパでは、日本酒といえば瓶入りの吟醸酒を思い浮かべる人が多いかもしれません。ただ、日本の食卓で毎日飲まれているのは、紙パックで売られる手頃な普通酒や純米酒です。アジア食材店などで紙パックの日本酒を見かけたら、日本の日常の味として試してみてください。この種のお酒は、40〜50℃に温める「燗(かん)」にすると香りがふくらみ、煮物や鍋料理、チーズのような旨みのある食べ物とよく合います。開けたあとは冷蔵庫で保存し、早めに飲み切るのがおすすめです。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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