The Sake Wire

秋田の酒造会社が最大19.5%値上げ、コスト高が直撃

オエノングループの秋田県醗酵工業が、清酒「一滴千両」や焼酎など46アイテムを9月出荷分から値上げし、続くコスト高を価格に反映した。

日本の大手酒類グループ、オエノングループに属する秋田県醗酵工業は、清酒や焼酎などの一部商品を2026年9月1日の出荷分から値上げした。秋田県は本州北部の日本海側にある米どころで、同社の本社は県南東部の湯沢市にある。上げ幅は参考小売価格ベースで0.6〜19.5%程度。理由は、原料からエネルギー、資材、物流まで、酒づくりのあらゆる段階でコストが上がり続けていることだ。

清酒から焼酎まで、幅広い品目が対象

清酒や焼酎など様々な酒類の瓶が並ぶ様子
清酒や焼酎など様々な酒類の瓶が並ぶ様子 — 写真: Andy Lee(Pexels)

対象の中心は清酒で、「一滴千両」「秋田の雪」など21アイテム(29SKU)。ほかに、醸造アルコールに糖類などを加えて清酒風に仕上げた合成清酒「とんとん拍子」、連続式蒸留ですっきりした味に仕上げる甲類焼酎「まろみのそふと新光」「あいぼう」など8アイテム、原料の風味を残す単式蒸留の乙類焼酎「ブラックストーン」「時空の扉」など11アイテムが含まれる。さらに、この2種をブレンドした混和焼酎「ばっけ焼酎」など3アイテム、リキュール「秋田サワーの素」、スピリッツ「渋抜き上手」なども対象だ。上げ幅が商品によって1%未満から約20%まで大きく違う点も特徴といえる。

背景にある「あらゆるコスト」の上昇

製造ラインを流れる空のガラス瓶
製造ラインを流れる空のガラス瓶 — 写真: Keegan Checks(Pexels)

同社とオエノングループによると、原料価格に加え、製造に使うエネルギー、瓶や包装などの資材、輸送にかかる物流費が上がり続けている。固定費の削減など社内での努力を重ねてきたが、それだけでは上昇分を吸収しきれなかったという。値上げは、商品を安定して供給し、品質を保つための判断だと説明している。原料だけでなく瓶や輸送のコストまで重なっていることから、日常的に飲まれる手頃な酒ほど価格の圧力を受けやすい状況が見えてくる。

ヨーロッパの読者が注目したいこと

ソーダ割りとロックで楽しむ焼酎
ソーダ割りとロックで楽しむ焼酎 — 写真: cottonbro studio(Pexels)

今回の発表は日本国内の参考小売価格についてのもので、輸出価格には触れていない。ただ、ヨーロッパで売られる日本の酒の値段は、現地の価格に輸送費や酒税、為替の影響が加わって決まる。そのため、日本国内のコスト高はいずれ欧州の価格にも影響する可能性がある。手頃な価格の焼酎や清酒は、日本の家庭で日常的に飲まれている酒の姿を知るのにちょうどよい入り口だ。店頭では、ラベルの「本格焼酎」(乙類)と甲類の違いに注目したい。原料の個性が出る乙類はロックやお湯割りで、クセの少ない甲類はソーダ割りで飲み比べると、蒸留方法による味の違いがよくわかる。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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