福祉法人が横浜に都市型ワイナリー開設
横浜の社会福祉法人が設立した横浜果実醸造が酒類製造免許を取得し、規格外の梨と横浜産ブドウでワイン造りを始めた。

人口で日本第2の市・横浜市で、社会福祉法人が設立したワイナリー「横浜果実醸造」が2026年7月2日付で酒類製造免許を取得しました。ワイナリーがあるのは横浜市北部の都筑区南山田です。設立したのは、1994年から地域福祉に携わる社会福祉法人中川徳生会(なかがわとくしょうかい)。原料には、形や大きさが出荷規格に合わない地元の梨「浜なし」と横浜産のブドウを主に使います。最初の銘柄は、7月の発表時点で2026年秋から順次発売される予定とされていました。
港町に残る畑と、行き場のない梨

横浜は港町として知られていますが、市内には今も都市近郊の農地が残っています。「浜なし」は横浜市内で育てられてきた梨の地域ブランドで、JA横浜が商標を登録しています。ただ、農業の担い手は減り、規格外の果実の使い道も課題になっていました。横浜果実醸造は、これまであまり活かされてこなかった規格外の浜なしをワインに変え、地域の資源として循環させることを目指しています。地元の農家、企業、自治体とも組んで、横浜の農業を支えていく方針です。
福祉と醸造をつなぐ
運営の中心にあるのは、日本で「農福連携」と呼ばれる考え方です。農業と福祉の現場をつなぎ、働く場を生み出す取り組みを指します。中川徳生会は、ワイン事業を通じて新しい就労の機会をつくり、農業と地域が長く結びつく仕組みを育てたいとしています。既存のワイン文化をまねるのではなく、横浜の風土や農業の営みに根ざした味を追求する姿勢も打ち出しています。発表時点では、自社畑でのブドウ栽培、会員制クラブ、近隣の食材を使う飲食店の開設も計画していました。
最初の3本

発表時点で、秋ごろからの発売が予定されていたのは3銘柄です。微発泡の「HAMANASHI PETILLANT 2025」、やや辛口の「HAMANASHI BLANC 2026」、そしてカベルネ・ソーヴィニヨンで造る赤ワイン「Cabernet Sauvignon “Clairet” 2025」。浜なしを使った2本は、ブドウではなく梨から造る果実酒です。
ヨーロッパの読者にとって、梨の発酵酒はペリーやポワレでおなじみの存在です。日本の梨は、ヨーロッパの洋梨とは違う丸くてみずみずしい品種で、欧州の店では「nashi」の名で並ぶこともあります。その梨から造るペティアンや白が、洋梨のペリーとどう違うのかは比べてみたくなるところです。当面は生産量も少なく、国内向けの小さな醸造所なので、すぐに海外で手に入るとは限りません。それでも、日本のワインが山梨や長野のブドウ産地だけでなく、大都市の中や、福祉と農業が交わる場所からも生まれていることを示す例です。新しいヴィンテージや今後の展開は、同社のウェブサイトやSNSで発表される見込みです。
参考・出典
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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