再生農地のバラで造る金沢のヴィンテージジン
石川県金沢市のぶどうの森が、耕作放棄地を再生した畑のダマスクローズで造る年1回のヴィンテージジン「森のジン 薔薇詩 2026」を発売した。

日本の本州のうち、日本海側にある石川県。その県庁所在地の金沢市で、ワイナリーや飲食店を営む株式会社ぶどうの森が、クラフトジンの上位ライン「森のジン 薔薇詩(バラード)2026」を2026年9月7日に一般発売しました。1本に使うダマスクローズは約20輪です。原料のバラは、使われなくなった農地を自分たちで耕し直した畑で育てています。その年のバラの出来を映す「ヴィンテージジン」として、年に一度だけ造られます。
耕作放棄地をバラ園に

日本の地方では、耕す人がいなくなって放置される農地が増えています。ぶどうの森はこうした土地を再生するプロジェクト「MORI NO NIWA(森の庭)」を進めています。手で開墾し直した土地に約1,800株のダマスクローズを植え、農薬を使わずに育ててきました。育てたハーブや花をものづくりに使い、地域の自然と経済を一緒に回していく考え方です。同社はこれを「ネイチャーポジティブ」と呼んでいます。ジンは、このプロジェクトを代表する商品です。
夜明けに摘み、すぐ蒸留する

バラを摘むのは早朝、ちょうど花が開いたころです。1輪ずつ手で収穫して花びらだけを手でちぎり、畑の隣の蒸留所ですぐに蒸留します。摘んでから蒸留までの時間を短くして、みずみずしい香りを残すためです。こうしてできたバラの蒸留酒に、日本の高級柑橘「せとか」や梅(日本のアンズの仲間)の果皮、自社栽培のハーブを合わせます。配合を決めるのは、ソムリエの資格も持つ蒸留家です。その年の気候とバラの状態に合わせて毎年調整するので、中身は年ごとに変わります。容量は480ml、価格は日本で6,600円(税込)です。
ソーダで開く香り

香りも成分もとても濃いため、造り手が勧めるのはジン1に対して割り材7の割合です。よく合うのはソーダやトニックで、炭酸がはじけるときに香りが一気に立ちます。無糖のアイスティーで割ればアールグレイにバラを重ねたような一杯に、ライチジュースと合わせれば花の香りのカクテルになります。
現時点での販売先は、蒸留所の売店と公式オンラインショップなど日本国内だけで、輸出の予定は発表されていません。それでもこの一本からは、日本のクラフトジンの新しい流れが見えてきます。地元で採れた植物を使い、ワインのように「その年の味」を打ち出す流れです。ヨーロッパで日本のジンを探すときは、柑橘や花など地元の植物を使っているか、ラベルに年号が入っているかを見てみてください。家では、フローラルなジンを無糖の紅茶やライチで割る飲み方を試すと、このジンの楽しみ方に近づけます。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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