山内杜氏の鑑評会で「一滴千両 大吟醸」が優等賞
秋田の杜氏たちが造り手の目で審査する鑑評会で、湯沢市の秋田県醗酵工業が造る「一滴千両 大吟醸」が優等賞を受けた。
杜氏が杜氏の酒を審査する鑑評会
杜氏(とうじ)は、酒蔵で造りの現場を率いる醸造責任者のことです。日本では地域ごとに杜氏の集団があり、それぞれが独自の技術と流儀を受け継いできました。本州北部の日本海側にある秋田県の山内杜氏組合もそのひとつで、設立から104年目を迎えます。組合は県内の杜氏や蔵人(くらびと、蔵で働く職人)の技術向上を目的に、自醸酒鑑評会を開いています。令和8年度(2026年)の鑑評会には22の蔵から63点の清酒が出品され、10人の審査員が品質や味わいを利き酒で評価しました。受賞したのは8蔵で、その中にオエノングループの秋田県醗酵工業(秋田県湯沢市)が造る「一滴千両 大吟醸」が含まれ、山内杜氏組合優等賞を受けました。
山内杜氏の流れからは、個性的な造り手も生まれています。「由利正宗」「雪の茅舎」で知られる高橋藤一氏は、醪(もろみ)をかき混ぜない、ろ過しない、加水しないという「三無い造り」を提唱しました。一般の品評会とは違い、同じ技術を背負う造り手どうしが互いの酒を評価する点に、この鑑評会の重みがあります。
「一滴に千両の値打ち」を掲げる蔵

秋田県醗酵工業は、焼酎から洋酒まで幅広く手がけるオエノングループの酒蔵で、湯沢で最も新しい蔵だとされています。代表銘柄の「一滴千両」は1974年に生まれ、「一滴にも千両の価値がある」という思いが名前に込められています。寒さが厳しく雪の多い土地の気候と自然の恵みを生かした酒造りを続けてきました。大吟醸は、米を外側から削り、元の重さの50%以下まで小さくした米で造る、最上位に位置づけられる等級で、華やかな香りと澄んだ味わいが特徴とされます。
冬の鍋と合わせるという発想
蔵自身は、秋田の郷土料理であるきりたんぽ鍋(つぶしたご飯を棒に巻いて焼き、鶏の出汁で煮る鍋)との組み合わせを提案しています。ヨーロッパでこの酒を探すなら、「Ittekisenryo」の銘柄名と、ラベルの「Daiginjo」の表記を手がかりにしてください。大吟醸はワイングラスで少し冷やして飲むと香りが開きやすいといわれます。鶏のブイヨンで煮込んだ料理や、きのこを使った冬のスープのような穏やかな旨みの料理とも合わせやすいでしょう。造り手の仲間が認めた酒として、ほかの蔵の大吟醸と飲み比べてみるのも面白いかもしれません。
参考・出典
- オエノンホールディングス「山内杜氏(さんないとうじ)組合自醸酒鑑評会で「一滴千両 大吟醸」が山内杜氏組合優等賞を受賞しました」
- SAKE Street「日本酒の「櫂入れ」とは?(2) - しないとどうなる?さまざまな方法と効果を学ぶ」
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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