The Sake Wire

熱海のクラフトジンが世界的コンペでダブルゴールド

静岡県熱海市の蒸留所が、ダイダイや海藻など21種の植物で香り付けしたジンで、サンフランシスコの国際コンペのダブルゴールドを受けた。

日本の海辺の崖と太平洋(イメージ)
日本の海辺の崖と太平洋(イメージ) — 写真: Khan ishaan(Pexels)

東京から南西へ約100キロ、太平洋に面した温泉地として知られる静岡県熱海市。この街で唯一の蒸留所である「シークリフ熱海蒸留所」の「スタンダードクラフトジン」が、2026年5月に開かれたサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)2026で、ダブルゴールドを受けました。SFWSCは世界でも有数の酒類コンペティションです。ダブルゴールドは、審査員全員が金賞をつけたときにだけ与えられます。日本では各地で地元の素材を使うクラフトジン造りが広がっており、その中で熱海のジンが国際的に認められました。

海と柑橘を映す21種のボタニカル

ジンの香り付けに使われる柑橘の皮や海藻などのボタニカル(イメージ)
ジンの香り付けに使われる柑橘の皮や海藻などのボタニカル(イメージ) — 写真: Iulian Patrascu(Pexels)

ジンは蒸留酒に植物で香りを付けたお酒で、香り付けに使う植物は「ボタニカル」と呼ばれます。受賞したジンは、伝統的なドライジンをベースに21種類のボタニカルを使っています。主なものは、熱海産のダイダイ(日本のビターオレンジ)、海藻のハバノリ、そして伊豆半島の下田市にある白浜神社で採れたビャクシンです。ビャクシンは、ジンに欠かせないジュニパーと同じ仲間の木です。蒸留所によると、柑橘のさわやかな香りに、海藻からくるうまみがほのかに重なる仕上がりだといいます。社長は、熱海と伊豆の自然を感じられるジンだと話しています。

バーテンダーから造り手へ

クラフト蒸留所の銅製蒸留器(イメージ)
クラフト蒸留所の銅製蒸留器(イメージ) — 写真: Tiago Antonio(Pexels)

蒸留所を運営するのはシークリフ・スピリッツです。釜谷道夫社長は20代から東京のバーでバーテンダーとして経験を積み、32歳で自分の店を開きました。酒蔵やワイナリーの造り手たちと交流するうちに、自分でも酒を造りたいと考えるようになりました。コロナ禍のころ、仕事で訪れた熱海に惹かれて移住を決意します。酒造りを一から学び、3年半の準備を経て、2年前に蒸留所を開きました。コンセプトは「海に育まれ、海に還る」です。蒸留所の名前は、熱海の海岸から見える海と崖の景色に由来します。蒸留にはドイツ製の蒸留器を使っています。ほかにも、松を中心に樹木の香りを引き出したジンを造っています。2026年春には、熱海産の柑橘ニューサマーオレンジを使った新作も発表しました。

ヨーロッパでの楽しみ方

柑橘の皮を添えたジントニックと魚料理(イメージ)
柑橘の皮を添えたジントニックと魚料理(イメージ) — 写真: Felix Rottmann(Pexels)

ジャパニーズ・クラフトジンを選ぶときは、どんなボタニカルが使われているかを見てください。ユズやダイダイなどの日本の柑橘、海藻、日本の樹木といったその土地ならではの素材が、ジンの個性を決めます。飲むときは、まず少量をストレートで味わって香りを確かめてみましょう。次にトニックウォーターで割り、柑橘の香りと、あとから感じるうまみの違いを比べてみると面白いでしょう。海藻のうまみを生かすなら、魚介料理や寿司と合わせるのもおすすめです。欧州で日本のジンを探すときは、SFWSCなど国際コンペの受賞歴も手がかりになります。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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