The Sake Wire

秋田の日本酒、産地ブランド「GI」指定を申請

秋田県の酒蔵33社でつくる組合が県産日本酒の地理的表示(GI)指定を国に申請し、輸出を見据えた産地ブランドづくりが動き出した。

雪に覆われた日本の田園(イメージ)
雪に覆われた日本の田園(イメージ) — 写真: Maxine Xin(Pexels)

日本の本州北部、日本海側にある秋田県で、県内でつくられる日本酒をまとめて「地理的表示(GI)」として守ろうという動きが進んでいる。県内33の酒造会社でつくる秋田県酒造協同組合が2026年6月に国へ申請した。秋田県は9月17日にこの申請を明らかにし、指定に向けてブランド力の強化や販路の拡大を支援する方針を示した。国の判断は来年度になる見込みだ。

GIは「産地の名前」を守る仕組み

杯に注がれる日本酒
杯に注がれる日本酒 — 写真: Frederick Shaw(Unsplash)

GIは、特定の土地と結びついた品質や特徴を持つ産品について、その地名を名乗れる範囲を決めて保護する制度だ。ヨーロッパの読者には、シャンパーニュやパルマハムでおなじみの考え方だろう。日本にも酒類のGI制度があり、指定を受けると、定められた基準を満たす酒だけがその産地名を名乗れるようになる。組合が申請した目的は、海外への輸出を伸ばすために「秋田の酒」という名前そのものの価値を高めることにある。指定が実現すれば、県は「日本酒県秋田」を公式に宣言するとしている。

雪国の冬が育てた「低温長期発酵」

秋田では醪(もろみ)を低温に保ち、時間をかけて発酵させる(イメージ)
秋田では醪(もろみ)を低温に保ち、時間をかけて発酵させる(イメージ) — 写真: tokyofoodcast(flickr, CC BY)

申請書が秋田の酒の個性として挙げたのは、「秋田流低温長期発酵」と呼ばれる造り方だ。日本酒づくりでは、米のでんぷんを糖に変える工程と、その糖を酵母がアルコールに変える工程が、同じタンクの中で同時に進む。冬の寒さが厳しい秋田では、この発酵中の醪(もろみ)を低い温度に保ち、時間をかけてゆっくり発酵させてきた。申請書は、この製法から生まれる酒の特徴を「口当たりの優しさ」と説明している。低温でじっくり発酵させた酒は、雑味の少ないきめ細かな味わいになりやすいといわれる。

GI指定の結果が出るまでのあいだも、ヨーロッパで「秋田の酒」を見分けることはできる。ボトルの裏ラベルや輸入元の説明で、蔵の所在地が秋田県(Akita)かどうかを確かめられる。冷やしすぎず10〜15℃くらいから味わい始め、グラスの中で温度が少しずつ上がっていく変化を追うと、穏やかな味わいの輪郭がつかみやすい。指定が決まれば、「Akita」という地名がボトル選びの新しい手がかりになるだろう。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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