The Sake Wire

豆乳を清酒酵母で発酵、梅乃宿の新リキュール

奈良の梅乃宿酒造が、豆乳を清酒酵母で発酵させた「世界初」のリキュール「SOYVIGNON」を10月19日に発売した。

奈良県葛城市の酒蔵、梅乃宿酒造(うめのやどしゅぞう)が、豆乳からつくったリキュール「SOYVIGNON(ソイヴィニヨン)」を2026年10月19日に発売しました。日本経済新聞によると、豆乳を清酒酵母で発酵させたリキュールは世界で初めてだといいます。奈良県は大阪と京都の南東、日本の古都として知られる地域です。日本酒の蔵が5年をかけて、大豆という意外な原料に挑みました。

豆乳を清酒酵母で発酵させる

原料となる大豆と豆乳のイメージ
原料となる大豆と豆乳のイメージ — 写真: Polina Tankilevitch(Pexels)

原料は、食品素材メーカーの不二製油が独自の「USS製法」でつくる低脂肪豆乳です。これを、日本酒のもろみで糖をアルコールに変える清酒酵母で発酵させました。開発には約5年を要し、最大の課題は豆乳特有の青臭さを抑えながら、安定して同じ品質に仕上げる製造技術を確立することだったそうです。アルコール度数は10%、容量は720ミリリットル。大豆に多く含まれる栄養素イソフラボンを含む点も特徴として挙げられています。

やや辛口、魚介や生ハムと

魚介のカルパッチョと生ハムの盛り合わせ
魚介のカルパッチョと生ハムの盛り合わせ — 写真: rawpixel(rawpixel, CC CC0)

蔵の説明では、味わいはやや辛口で、華やかさとすっきりした酸味があるとのこと。ワインのぶどう品種ソーヴィニヨンを思わせる名前どおり、食中酒としての楽しみ方が想定されており、魚介のカルパッチョや生ハムとの相性を勧めています。主なターゲットは健康を意識する40〜50代の女性で、忙しい大人が自分をいたわるための酒として提案しています。若い世代の酒離れが指摘される日本で、新しい飲み手を掘り起こす狙いです。

リキュールで市場を切り開いてきた蔵

梅乃宿酒造は、2013年に5代目社長に就いた吉田佳代氏のもと、日本酒とリキュールを事業の二本柱に据えてきました。果肉を粗くこして残した果実リキュール「あらごし」シリーズは発売から20年を迎えた主力商品で、トマトなどを使った酒でも話題を集めてきました。日経の関連報道では、吉田社長が日本酒ベースのリキュールの海外販売に力を入れる考えも伝えられています。

SOYVIGNONは現時点では蔵のオンラインショップと直営店のみでの販売(1500円)で、海外展開は発表されていません。それでも、植物性の食品や飲料への関心が高いヨーロッパにとって、日本酒の技術を穀物以外の原料に応用する発想は注目に値します。もし手に取る機会があれば、よく冷やしてワイングラスで香りを確かめ、スペインのハモンやイタリアの生ハム、白身魚のカルパッチョと合わせてみてください。まずは身近な酒販店で梅乃宿の果実リキュールを探し、この蔵の自由な発想に触れてみるのもよいでしょう。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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