The Sake Wire

東京国税局の鑑評会、今年から「最優等賞」を新設

東京国税局が管内32製造場の日本酒・焼酎95点を審査し、今年新設した「最優等賞」を10月28日に発表する。

日本酒の利き猪口と升に注がれた酒
日本酒の利き猪口と升に注がれた酒 — 写真: Jon Discipulo(Pexels)

日本では、酒税を担当する国の機関である国税庁の地方組織「国税局」が、毎年それぞれの管轄地域で造られた酒の品質を審査しています。SAKE Streetのまとめによると、こうした鑑評会は札幌から熊本まで11の国税局の管轄地域で開かれています。東京国税局の鑑評会もその一つです。2026年9月10日の審査には、東京・神奈川・千葉・山梨の4都県にある32の製造場から、日本酒と焼酎あわせて95点が出品されました。

東京国税局の鑑評会とは

この鑑評会のねらいは、地域の酒をより広く知ってもらうことと、造り手の技術や意欲を高めることです。部門は5つあります。日本酒が「吟醸」「純米吟醸」と、温めて飲むことを前提とした「燗酒」「純米燗酒」の4部門、残る1部門は蒸留酒の「本格焼酎」です。吟醸は、米をよく磨き低温でゆっくり発酵させた香り高い高級酒の区分です。「純米」は、醸造アルコールを加えず、米・米麹・水だけで造った酒であることを示します。審査員は約10人で、香り、味、その2つのバランスを評価します。

猛暑に適応し「飲みごたえ」のある年に

東京国税局で酒の品質審査を担う鑑定官室の室長、山脇幹善氏は、今年の酒の変化を指摘しています。同氏によると、ここ数年は厳しい夏の暑さが続き、すっきりと軽い日本酒が多い傾向でした。しかし今年は、造り手が気候に慣れ、技術も向上したことで、味に厚みがあり飲みごたえのある酒になっているといいます。審査では、香りと味のバランスのようにごくわずかな差でも、正確に見極める方針です。気候の変化が酒の味に表れ、蔵がそれに対応していることをうかがわせる、審査の現場からの発言といえます。

新設の最優等賞と、ヨーロッパでの楽しみ方

今年は新たに「最優等賞」が設けられました。結果は10月28日の表彰式で発表されます。地方の鑑評会での最高賞が、蔵の評価を大きく変えた例もあります。SAKE Streetによれば、長野県の岡崎酒造(銘柄「信州亀齢」)は2015年の関東信越国税局の鑑評会で、吟醸酒の部の最高賞を獲得しました。その後、県内でも人気の銘柄に成長しています。

国税局の鑑評会は、国際コンクールほどヨーロッパでは知られていません。しかし、日本の専門家が地域ごとに技術面を重視して酒を比べる、信頼できる評価の一つです。10月28日に結果が出たら、受賞した蔵の名前を控えておき、輸入酒店やオンラインショップで探してみてください。「今年は飲みごたえがある」という評価を自分の舌で確かめるなら、吟醸を冷やして飲み、旨みのある純米酒を40度前後に温めて飲み比べてみてください。香りと味のバランスの違いを感じられるかもしれません。

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