The Sake Wire

西条酒造学校が復活へ ユネスコの技を継ぐ人づくり

杜氏の全国団体を率いる石川達也氏が広島県東広島市に戻り、半年間泊まり込みで造り手を育てる「西条酒造学校」を2026年秋に復活させるべく、9月の報道時点で準備を進めていた。

日本の伝統的な酒造りは、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。ただ、その技を実際に受け継ぐ人を育てなければ、登録だけでは文化は残りません。広島県では、造り手の育成だけを目的にした酒蔵の学校を復活させる計画が動き出しました。広島の地元放送局、中国放送(RCC)が9月初めに伝えました。

杜氏のリーダーが酒どころ西条へ

計画の中心にいるのは、日本酒造杜氏組合連合会の会長を務める石川達也氏です。杜氏(とうじ)とは、酒蔵で仕込みの全工程を指揮する醸造責任者のことで、この連合会は各地の杜氏の組合をまとめる全国組織です。石川氏は広島県東広島市に戻り、同市の福美人酒造を拠点に「西条酒造学校」を2026年秋に復活させるべく、報道時点で準備を進めていました。東広島市の西条地区は、広島市から東へ電車で約30分の場所にあり、いくつもの酒蔵が集まる日本有数の酒どころとして知られています。

半年間、蔵に住み込んで学ぶ

新しい学校の特徴は、受講者が約半年間、蔵に泊まり込んで学ぶ点です。日本酒の仕込みは主に秋から春にかけて行われ、米を蒸し、麹(こうじ)を育て、発酵を見守る作業は昼夜を問わず続きます。教科書だけでは伝わらない感覚を、毎日の作業の中で身につけることが狙いです。石川氏は「人を育てることに特化した酒蔵」を目指すとしており、酒を造って売ることよりも、次の世代の作り手を送り出すことを第一の目的に据えています。

広島市では、音楽を楽しみながら日本酒に親しむトークイベントも開かれ、伝統の継承を若い世代に身近に感じてもらう試みも広がっています。

ヨーロッパでの楽しみ方

この学校で学んだ造り手の酒がヨーロッパに届くのは、まだ数年先になるでしょう。それでも今からできる楽しみ方があります。広島の日本酒を扱う販売店やレストランで、ラベルや説明に蔵の所在地や杜氏の名前があるか確かめてみてください。同じ地域の蔵の酒を2〜3本並べて飲み比べると、造り手ごとの個性が分かりやすくなります。「誰が、どこで、どう学んで造ったか」に目を向けることは、ユネスコに登録された技を楽しむひとつの方法です。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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