富山の三郎丸、アイラ麦芽の「Ⅷ STRENGTH」
富山の三郎丸蒸留所が、アイラ島のピートを強く焚いた麦芽で仕込んだシングルモルト「三郎丸Ⅷ STRENGTH」を5月に数量限定で発売した。

日本海に面した富山県(本州の中ほど、北陸地方)の砺波市にある三郎丸蒸留所は、2026年5月21日、シングルモルトのシリーズ最新作「三郎丸Ⅷ(エイト)STRENGTH」を発売しました。原酒は2022年の蒸留で、麦芽はスコットランドのアイラ島で造られたものです。ピートを非常に強く焚いた「スーパーヘビリーピーテッド」と呼ばれる麦芽を使っています。日本の蒸留所が、スモーキーなウイスキーの本場の原料を使って造った1本です。
アイラのピートを富山で蒸留する

使った麦芽のフェノール値は80PPMです。PPMは、麦芽を乾燥させるときにピートの煙から移るスモーキーな成分の量を表す数値で、80PPMはかなり強いスモークの部類に入ります。蒸留所の代表で、母体の若鶴酒造の社長でもある稲垣貴彦氏によると、アイラ島のピートは年々手に入りにくくなっています。今回の麦芽は、時間をかけた交渉と、長く築いてきた信頼関係があって確保できたそうです。目指した味わいについて、蒸留所は「力強いスモークを、やわらかな潮の香りが包む」と説明しています。
2つのアルコール度数と限られた本数

商品は2種類あります。ひとつはアルコール度数48%の通常版(700ml、7,250本)で、日本での希望小売価格は税込19,800円です。もうひとつは樽出しの度数のまま瓶詰めした59%のカスクストレングス版(700ml、1,600本)で、税込29,040円です。どちらも販売先に「海外」が含まれています。三郎丸蒸留所は1952年にウイスキー造りを始めた北陸地方で最も古い蒸留所で、2017年に大規模な改修を行いました。2019年には、富山県高岡市の伝統的な銅器の鋳造技術を使った蒸留器「ZEMON」を開発しています。
タロットと切り絵のラベル

このシリーズは、2020年の「三郎丸0 THE FOOL」から、タロットカードの大アルカナを1枚ずつテーマにしてきました。今回の9作目で選ばれたのは「力」のカードで、包容、誠実、制御、粘り強さという意味が込められています。ラベルは、富山県氷見市出身の切り絵作家・加野由希絵氏の作品です。前作の「三郎丸Ⅶ THE CHARIOT」(2025年11月発売)までと同じく、加野氏が手がけています。
ヨーロッパでこのウイスキーを探すなら、日本のウイスキーを扱う専門店や輸入業者に問い合わせてみるのが近道です。本数が少ないため、入手できるかどうかは店に確認するとよいでしょう。飲むときは、同じくらいの強さのピートを使ったアイラ島のシングルモルトと飲み比べると、蒸留所や熟成環境の違いが感じられるかもしれません。48%の通常版はまずストレートで味わい、そのあと水を数滴加えると、潮のような香りが開くことがあります。59%のカスクストレングス版は、少しずつ加水して香りの変化を追う楽しみ方に向いています。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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