The Sake Wire

高知の日本酒、インド南部の見本市へ

インド・ベンガルールの酒類見本市で日本の酒蔵が並び、高知県は地酒と魚介のペアリングでインドの飲食業界へ売り込んだ。

日本酒の瓶が並ぶ試飲会場のイメージ
日本酒の瓶が並ぶ試飲会場のイメージ — 写真: Andy Lee(Pexels)

日本酒の輸出先といえば米国や中国、そしてヨーロッパが中心です。しかし今、新しい市場としてインドに目を向ける酒蔵が出てきています。2026年9月9日から11日にかけて、インド南部の都市ベンガルールのKTPOコンベンションセンターで酒類見本市「Brews & Spirits Expo 2026」(主催:PDA Ventures)が開かれました。7回目の今回は出展者が初めて100社を超え、会場にはジャパンパビリオンも設けられました。日本貿易振興機構(ジェトロ)の現地報告をもとに、その様子を紹介します。

ジャパンパビリオンに並んだ日本の酒

ブースに並ぶ日本酒の瓶の数々
ブースに並ぶ日本酒の瓶の数々 — 写真: Iban Lopez Luna(Pexels)

ジャパンパビリオンには8つの企業・団体が参加しました。四国の太平洋側にある高知県が県としてブースを構え、その中で有光酒造場と松尾酒造の2社を紹介しました。ほかに静岡県の土井酒造場、梅酒で知られる大阪府のチョーヤ梅酒、鹿児島県の濵田酒造、宮崎県の神楽酒造、そしてインドで日本の酒の普及に取り組むSake Mom Indiaが加わりました。兵庫県の六甲山蒸留所のように、パビリオンとは別に単独で出展した日本企業もありました。

高知の2社はすでにインドで販売を始めています。有光酒造場は「Akitora Junmai」を、松尾酒造は「Far Space Traveler」と「Deep Ocean Traveler」をベンガルール市内で販売しています。「純米(Junmai)」とは、醸造アルコールを加えず、米と米麹と水だけで造った日本酒を指す言葉です。

「何と合わせるか」まで提案すると商談が進む

日本酒と魚料理を組み合わせた一皿
日本酒と魚料理を組み合わせた一皿 — 写真: Jose Stauffenberg(Pexels)

Sake Mom Indiaによると、会場には開催地のカルナータカ州だけでなく、隣のタミル・ナドゥ州やテランガナ州からもバイヤーが訪れ、取り扱いや今後の展開について具体的な質問が寄せられました。同団体は、日本酒そのものを紹介するだけでなく、レストランでの出し方や料理との組み合わせまで含めて提案すると、商談に結びつきやすいと感じているそうです。

高知県は日本酒と並んで、県産の魚介類の輸出にも力を入れています。2024年7月にはベンガルールで、インドでは初めてとなる高知県産水産品の試食会を開きました。今回は見本市に合わせて、高知の魚料理と地酒を組み合わせたペアリングイベントを開催しました。参加したインドのレストラン関係者からは、インド料理によく使われるハーブ、ナッツ、オイル、チーズといった食材と日本酒がよく合うことに驚く声が上がったといいます。

ヨーロッパの読者へ:インドの視点から日本酒を楽しむ

スパイスを使ったインド料理が並ぶ食卓
スパイスを使ったインド料理が並ぶ食卓 — 写真: Eyes2Soul Eyes2Soul(Pexels)

この話は、ヨーロッパで日本酒を楽しむ人にとってもヒントになります。ヨーロッパの多くの都市にはインド料理店があり、ハーブやナッツ、チーズを使った料理は家庭でも身近です。日本酒を和食だけに合わせる必要はありません。次にインド料理を食べるときは、香りが穏やかな純米酒を少し冷やして合わせ、スパイスやナッツのコクとの相性を試してみてください。また、ラベルに「Kochi(高知)」とあれば、魚料理との組み合わせを意識して造られた酒かもしれません。インドで日本酒の売り方がどう育っていくかは、ヨーロッパの市場にとっても今後の参考になりそうです。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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