The Sake Wire

遠野のとれたてホップで仕込む「一番搾り」

岩手県遠野市で今夏収穫されたホップを使うキリン「一番搾り とれたてホップ生ビール」の仕込みが仙台で始まり、11月17日に日本全国で発売される。

収穫されたばかりのホップと、ビールが注がれたグラス
収穫されたばかりのホップと、ビールが注がれたグラス — 写真: Donovan Kelly(Pexels)

煮沸釜に入った遠野のホップ

収穫されたばかりの緑色のホップの毬花(まりばな)
収穫されたばかりの緑色のホップの毬花(まりばな) — 写真: Markus Spiske(Unsplash)

9月9日、宮城県仙台市のキリンビール仙台工場で、季節限定ビール「一番搾り とれたてホップ生ビール」の仕込み式が開かれました。使うのは、岩手県遠野市でこの夏に収穫されたホップです。遠野市は本州北東部の東北地方にあり、内陸の山あいに位置します。式には工場のスタッフのほか、遠野市の多田一彦市長や、生産者団体である遠野ホップ農業協同組合の安部純平組合長など、約80人が出席しました。凍らせて保存しておいたホップを煮沸釜に入れると、会場に爽やかな香りが広がったと、地元紙の河北新報が伝えています。久保田聖悟工場長はホップを「ビールの魂」と呼び、新鮮な遠野産ホップの魅力を最大限に引き出したいと話しました。

産地の名前を掲げる日本のホップ

収穫されたホップの毬花(苦味と香りの原料)
収穫されたホップの毬花(苦味と香りの原料) — 写真: Ben Young(Pexels)

ホップはビールに苦味と香りを与える植物です。多くのビールは、乾燥させて加工したホップを使います。この商品は、収穫後に乾燥させずに凍結したホップを使います。摘みたてに近い、青々とした香りを残すための造り方です。大手メーカーが国内の産地名を商品の売りにし、市長や生産者の代表が仕込みに立ち会いました。ここから、ホップ産地とビール会社の結びつきがうかがえます。ドイツのハラタウやチェコのザーツ(ジャテツ)のように、産地の名前が香りの目印になる考え方は、ヨーロッパの読者にもなじみがあるでしょう。

「一番搾り」とはどんなビールか

一番搾りは、キリンビールの主力ブランドの一つです。名前は造り方に由来します。麦芽から糖分を溶かし出した液体を「麦汁」と呼び、その中から最初に自然に流れ出る部分だけを使います。雑味の少ない、すっきりとした麦のうまみが特徴です。とれたてホップ版は、この味わいに季節のホップの香りを重ねた限定品です。発売日は11月17日で、日本国内では全国で販売されます。

この限定品がヨーロッパで販売されるかどうかは、今のところ発表されていません。それでも楽しみ方はあります。秋はヨーロッパでも、収穫直後のホップを使った「フレッシュホップ」や「ウェットホップ」のビールが出回る季節です。日本食材店やアジア食品店で一番搾りの通常品を見つけたら、地元のフレッシュホップビールと比べてみるのも一案です。ホップの香りの強さや出方の違いに気づくかもしれません。日本のビールは、寿司や天ぷら、焼き鳥など、繊細な味の料理と合わせやすいとされます。冷やしすぎず、泡を立てて注ぐと香りが引き立つと言われます。日本の大手メーカーが国内のホップ産地を前面に出す動きは、今後の限定品や輸出品を見るうえでも注目したい点です。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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