大学キャンパス育ちのホップ、学生ビール2種が完成
神奈川大学の学生がキャンパスで育てたホップを使い、ペールエールとセゾンの2種を横浜のブルワリーと造り、数量限定で発売した。

横浜にある神奈川大学で、学生が校舎の屋上テラスやキャンパスのプランターでホップを育て、そのホップでクラフトビールを造る取り組みが6年目を迎えました。2026年度のビールは2種類で、10月1日から横浜市内の飲食店や小売店で数量限定で発売されました。ビールの方向性を決めるところから、醸造への立ち会い、瓶へのラベル貼りまで、学生自身が関わっているのが特徴です。
日よけとして植えたホップがビールになるまで

このプロジェクトは2021年度に、都市部のヒートアイランド対策を目的とした屋上緑化として始まりました。きっかけは、屋上緑化を手がける会社からの提案です。ホップはつるが7〜8メートルまで伸びるため、建物の日よけに向くというものでした。収穫したホップの使い道として、ビールづくりが始まりました。現在は、横浜市中心部の海沿いの地区・みなとみらいにあるキャンパスの6階テラスと、横浜キャンパスのプランターで、アメリカ生まれの香り高い品種カスケードを育てています。テラスはビル風や台風時の潮風、照り返しの熱にさらされる厳しい環境ですが、ホップは毎年毬花(ビールに香りと苦みを与える松かさ形の花)をつけているそうです。
ペールエールとセゾン、2つの個性

横浜キャンパスの「#AleNow 2026」は、アルコール分5.0%のペールエールです。普段ビールを飲まない人にも手に取りやすいよう、果実のような香りを強めにし、後味をすっきりさせています。みなとみらいキャンパスの「PROUD BREW 2026 -Blazing Cool Saison-」は、アルコール分5.5%のセゾンです。セゾンはベルギーの農家のビールにルーツを持つスタイルで、このビールはスパイシーな香りとほどよい苦み、ドライな飲み口が持ち味です。醸造を担当したのは、みなとみらいにあるブルワリーレストラン「REVO BREWING」です。このプロジェクトのビールを以前から造ってきたブルワリーです。
地域の企業と学生がいっしょにつくる

どんな味にするかを話し合う場には、近くの企業や行政、地域の人たちも学生と同じテーブルにつきました。醸造家から、ビールのスタイルによる違いや味づくりのポイントを学ぶ機会もありました。ラベルは横浜のデザイン会社セルワールディングのデザイナーが、学生のアイデアをもとに仕上げました。今年はさらに、醸造で出るモルトの搾りかす(麦芽粕)を混ぜて作った紙で、学生の名刺を作りました。造って終わりではなく、副産物まで使い切ろうとする姿勢がうかがえます。
今回のビールがヨーロッパに届く予定はありません。それでも、日本のクラフトビールの今を知るうえで面白い事例です。都市の屋上でホップを育てる動きはヨーロッパの都市にもあるので、身近な地元産ホップのビールと比べてみるのもよいでしょう。日本のクラフトビールを専門店で見かけたら、ラベルで使われているホップの品種やスタイルを確かめてみてください。カスケードを使ったペールエールとスパイシーなセゾンは、同じホップでもスタイルによって印象が変わりうる点が興味深いところです。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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