The Sake Wire

チョコの「捨てる皮」がビールに 川崎発ヴァイツェン

川崎のカギヤブルワリーが、チョコレート製造で捨てられるカカオ豆の外皮を副原料に使い、ホワイトチョコの香りを狙ったヴァイツェンを造りました。

カカオハスクを副原料に使ったヴァイツェン「DAIKANYAMA SORYO BEER」
カカオハスクを副原料に使ったヴァイツェン「DAIKANYAMA SORYO BEER」 — 画像提供: PR TIMES(カギヤブルワリー)(プレスリリースより)

チョコレート工房の副産物を原料に

チョコレート製造に使われるカカオ豆
チョコレート製造に使われるカカオ豆 — 写真: Gia(Pexels)

東京の南隣、神奈川県川崎市でクラフトビールを造るカギヤブルワリー(鍵屋醸造所。運営は株式会社KEY CORPORATION)が、コラボビール「DAIKANYAMA SORYO BEER」の醸造を担当しました。企画したのは、東京・代官山のクラフトビールバー「ビビビ。」と地元の商店会です。副原料に使ったのはカカオハスク、つまりカカオ豆の外皮で、商店会の会長が営むショコラトリー「LA BASE de Chez Lui」から出たものです。チョコレート造りではふつう捨てられる部分を、ビールの原料として生かすアップサイクル(廃棄物に新しい価値を与える取り組み)です。ビールは2026年9月19日から代官山で提供されています。

カギヤブルワリーはこれまで、ビールの仕込みで出る麦芽の搾りかすを近くの養鶏場に飼料として渡したり、シイタケ栽培に使ったりと、自社から出る副産物を外で役立てる循環に取り組んできました。今回は立場が逆で、別の業種から出た副産物を受け取り、ビールに仕上げる役を担っています。

ヴァイツェンでホワイトチョコの香りを狙う

スタイルはヴァイツェン。小麦麦芽を主体に造る、ドイツ生まれのビールです。カカオハスクをどう生かすか、バーと醸造所で検討を重ねた末にこのスタイルを選びました。小麦由来のやわらかな口当たりにカカオハスクの香りを重ね、ホワイトチョコレートを思わせる風味を目指しています。アルコール度数は4.5%と軽めで、飲みやすさを意識した設計です。名前の「SORYO(爽涼=爽やかで涼しい)」は、発売時期を合わせた代官山の恒例のお祭り「代官山爽涼祭」から取られました。バーのオーナーたちは、ホワイトチョコのようなニュアンスがきれいに表れた仕上がりだと話しています。

ヨーロッパの読者が注目したい点

クラフトビールの飲み比べ
クラフトビールの飲み比べ — 写真: Donovan Kelly(Pexels)

このビールは代官山周辺だけで提供されており、海外での販売は発表されていません。それでも、日本のクラフトビールの小さな醸造所が、ほかの食品業界と組んで副産物を原料に変えている一例として注目に値します。ヴァイツェンはヨーロッパでもなじみのあるスタイルなので、手に入るヴァイツェンにホワイトチョコレートを少し添えてみると、この一杯が狙った香りの方向をイメージできるでしょう。日本のクラフトビールを選ぶときは、ラベルの副原料欄もぜひ見てみてください。食品の副産物を使った造り手の工夫が見えてきます。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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