The Sake Wire

秋田犬ラベルの冬のにごり酒「一滴千両」旬シリーズ

秋田県湯沢市の秋田県醗酵工業が、日本酒度-15の甘口にごり酒「旬シリーズ2026 一滴千両 にごり酒」を10月21日から日本国内で数量限定で発売した。

日本酒度-15、甘く濃厚な季節限定のにごり酒

雪景色の中に佇む秋田犬
雪景色の中に佇む秋田犬 — 写真: James Smeaton(Pexels)

オエノングループの秋田県醗酵工業(本社:秋田県湯沢市)が、看板銘柄「一滴千両」の季節商品「旬シリーズ」から、にごり酒の2026年版を発表した。秋田県は本州の北部、日本海側にある雪の多い県で、湯沢市は県の南部にある。新商品は、とろりとした口当たりのにごり酒だ。アルコール分は15%、日本酒度は-15、酸度は1.0。日本酒度は甘口か辛口かを示す目安の数値で、マイナスが大きいほど糖分が多く、甘く感じやすい。-15はかなり甘口の部類に入る。蔵によると、ぬるめに温めるとやわらかな甘みが際立ち、冷やすと味が引き締まってすっきり飲めるという。ラベルには雪景色と秋田犬が描かれている。720ml瓶で、参考小売価格は1,230円(税抜き)。

にごり酒とは何か

日本酒は、米と米麹と水を発酵させた「もろみ」を搾り、液体の酒と固形分の酒粕に分けて造る。透明な日本酒は、搾ったあとに底に沈んだ細かな固形分(澱)を取り除いて仕上げる。にごり酒は、もろみを目の粗い布などで搾り、固形分の一部をあえて残した酒だ。濁っていても、日本の酒税法では透明な日本酒と同じ「清酒」に分類される。見た目の似た酒には、搾らずにそのまま飲む「どぶろく」や、ふつうに搾ったあと澱を取り除かずに仕上げる「おりがらみ」があり、濁りの濃さだけでなく造り方の違いで呼び分けられている。

「一滴千両」という名前の由来

「一滴千両」は1974年に生まれた銘柄で、「一滴に千両の値打ちがある」という意味が込められている。千両は昔の金貨の単位で、大金のたとえとして使われる。秋田県醗酵工業は湯沢でいちばん新しい酒蔵で、寒さが厳しく雪の多い土地の気候と自然の恵みを生かして酒を造ってきた。

今回は日本国内向けの発表で、ヨーロッパでの販売予定は示されていない。それでも、この酒の数値はヨーロッパでにごり酒を選ぶときの参考になる。ラベルや商品説明で日本酒度と酸度を確かめ、日本酒度のマイナスが大きく酸度が低いものほど、甘くまろやかな味わいだと考えるとよい。飲む前に瓶をゆっくり傾けて澱を全体に行き渡らせ、まず冷やして、次に40度前後のぬるめの燗にして、温度による違いを比べてみるのもよい方法だ。冬に向けて、濁った日本酒ならではの濃さと甘さを、温度を変えながら味わってみてはどうだろう。

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