The Sake Wire

長野・飯島町に初のワイナリー、初ヴィンテージ

酒造りのなかった長野県飯島町に初のワイナリーが生まれ、2025年産の初ヴィンテージとして赤・白・ロゼと町産リンゴのデザートワインを発売した。

長野県は日本アルプスに囲まれた本州中部の内陸県で、山梨県と並ぶ日本の主要なワイン産地です。その南部にある飯島町に、町で初めてのワイナリー「飯島醸造ヴィノフェクト」が生まれました。2025年に自社農園で収穫したブドウなどで初めて仕込んだワインが完成し、地元紙の長野日報によると、2026年5月3日から醸造所併設のショップで販売が始まっています。

酒造りの「空白地」に生まれたワイナリー

飯島町は、天竜川が流れる伊那谷(いなだに)と呼ばれる盆地にあります。これまで町には日本酒の蔵もワイナリーもなく、酒造りの空白地でした。今回のワインは、町として初めての地酒になります。ワイナリーは町内の本郷地区にあり、原料には自社農園で育てた地元のブドウを中心に使っています。畑づくりから醸造まで自分たちで手がける、小さな新規参入の造り手です。

最初のラインナップは8種類、リンゴのデザートワインも

赤・白・ロゼのワインを注いだ3つのグラス
赤・白・ロゼのワインを注いだ3つのグラス — 写真: Polina ⠀(Pexels)

最初のリリースは、赤、白、ロゼに、町内産のリンゴで造ったデザートワインなどを加えた計8種類です。ワイナリーは「飲み比べて味わってほしい」と話しています。ブドウの品種や醸造方法は、報道からはまだわかりません。それでも、ブドウとリンゴの両方を原料にしている点には、この土地らしさが出ています。長野県は日本有数のリンゴ産地で、地元の果樹をワインに生かす発想は自然な流れといえます。

小さな造り手が広げる日本ワインの地図

小規模ワイナリーの樽が並ぶ醸造庫
小規模ワイナリーの樽が並ぶ醸造庫 — 写真: Tim Durand(Pexels)

長野県では、ここ十数年で小規模ワイナリーの開業が続き、県もワイン産業の振興に力を入れてきました。飯島町のワイナリーは、その流れが県内のさらに新しい地域へ広がっていることを示す例です。初ヴィンテージの評価はこれからですが、新しい産地が一から生まれる場面に立ち会えるのは、日本ワインの今を追う面白さのひとつです。

今回のワインは生産量が少なく、販売も現地のショップが中心のため、すぐにヨーロッパで手に入るとは考えにくいでしょう。それでも、日本ワインを専門に扱うショップやレストランでは長野県産のボトルを見かける機会が増えています。ラベルに「Nagano」とあるワインは、まず試してみる価値があります。ヨーロッパの同じ価格帯の赤や白と飲み比べると、日本の造り手が目指す味の方向性がつかみやすくなります。リンゴのデザートワインは、ノルマンディーやバスクのリンゴ酒の文化に親しんだ人ほど面白く感じるかもしれません。この小さなワイナリーが次の収穫年でどう変わっていくかにも、注目したいところです。

参考・出典

  • 長野日報「初の飯島町内産ワイン誕生 3日発売開始」

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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