The Sake Wire

復活の羽生蒸溜所、第2弾はシェリー×バーボン

埼玉県の東亜酒造・羽生蒸溜所が、復活後2本目のシングルモルト「TONE 羽生 ラルガメンテ」を1,600本限定で予約販売しました。

琥珀色のウイスキーが注がれたグラスとボトル
琥珀色のウイスキーが注がれたグラスとボトル — 写真: Eva Bronzini(Pexels)

埼玉県は、東京の北側に接する内陸の県です。その羽生市にある東亜酒造が、2026年4月1日にシングルモルトウイスキー「TONE 羽生 ラルガメンテ シングルモルト ダブルカスク シェリー&バーボン」の予約受付を始めました。容量は700ml、アルコール度数は51%で、1,600本の限定です。日本国内の希望小売価格は18,000円(税別)。2021年に蒸溜を再開した羽生蒸溜所にとって、これが2本目の製品になります。

1625年創業の酒蔵が、20年ぶりに蒸溜器を動かすまで

東亜酒造の歴史は、1625年に埼玉県秩父で始めた酒造りにさかのぼります。1941年に本社を羽生市へ移し、1946年にウイスキーの製造免許を取得しました。1980年には2基のポットスチル(単式蒸溜器)を入れて自社での蒸溜を始めましたが、ウイスキー市場の低迷と経営難が重なり、2000年に蒸溜を止めています。その後、会社は日本酒事業の立て直しに力を注ぎました。その日本酒が国内外で評価されて経営が安定し、2021年2月に蒸溜を再開しています。新しいポットスチルは、かつての蒸溜器を手がけたメーカーが当時の図面をもとに作り、熟成も以前と同じ敷地内で行っています。できる限り元の姿に近づけた再出発です。

シェリー樽とバーボン樽、ピートを使わない二つの原酒

2025年3月に出た第1弾「羽生GENESIS」(2,021本限定)は、2種類の原酒を合わせたものでした。ひとつは、バーボンを熟成させた後に初めて再利用する樽(ファーストフィル)で熟成したノンピート原酒です。もうひとつは、ピート(泥炭)の煙で麦芽を乾かしたスモーキーな原酒でした。今回はピートを使っていません。シェリー樽で熟成した原酒を主体に、ファーストフィルのバーボン樽で熟成した原酒を組み合わせた「ダブルカスク」です。干しブドウやスパイスを思わせるシェリー樽の香りと、メープルや蜂蜜のようなバーボン樽の甘さが、互いを打ち消さずに一つのウイスキーの中に並ぶよう設計されています。

「ラルガメンテ」という音楽用語の名前

ウイスキーをゆっくりと味わうテイスティンググラス
ウイスキーをゆっくりと味わうテイスティンググラス — 写真: Eva Bronzini(Pexels)

ラルガメンテ(largamente)は、作曲家が楽譜に書き込む演奏の指示で、「広く豊かに、ゆったりと」という意味です。チーフブレンダーが二つの原酒を合わせる作業を作曲に見立て、飲む人にもゆったりと味わってほしいという思いを込めた名前です。シリーズ名の「TONE 羽生」は、利根川をイメージしています。

ヨーロッパの読者には、まず入手の条件をお伝えしておきます。予約は東亜酒造の自社通販サイトだけで受け付けられ、1人2本までに制限されていました。海外への発送もできませんでした。それでも、閉鎖から20年を経た蒸溜所が、再開後の2本目でピートなしのシェリー主体という新しい方向を示したことは、日本のウイスキーの動きを追う人にとって見逃せない話題です。日本のウイスキーを扱う専門店で「Hanyu」「TONE」「Toa Shuzo」の名前を見かけたら、手に取ってみてください。度数は51%と高めなので、最初は少量をそのまま飲み、次に水を数滴加えて、ドライフルーツの香りと蜂蜜のような甘さがどう開くかを比べるのがおすすめです。同じ蔵の日本酒も海外で評価されています。蔵の味に触れる入口として、そちらから試すのもよいでしょう。

参考・出典

BARREL365「羽生蒸溜所、セカンドリリースはシェリー&バーボンのダブルカスク。「ラルガメンテ」1,600本予約受付開始」 https://www.barrel365.com/n2604025/

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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