ダムの中で半年熟成、岐阜・揖斐川町の日本酒
岐阜県揖斐川町の所酒造などが、二つのダムの内部で半年間寝かせた日本酒を引き上げ、10月2日から販売を始めた。
ダムの通路に酒を寝かせる
岐阜県は名古屋の北に広がる内陸の県です。揖斐川町(いびがわちょう)はその西部、揖斐川の上流にある山あいの町です。中日新聞の報道によると、町内の酒蔵・所酒造(ところしゅぞう)と道の駅「星のふる里ふじはし」は9月28日、町内の徳山ダムと横山ダムに貯蔵していた日本酒を引き上げました。酒を運び込んだのは4月中旬で、約半年をダムの中で過ごしたことになります。徳山ダムでは、ダム内部の連絡通路に純米吟醸酒が並べられていました。純米吟醸とは、醸造アルコールを加えずに造る酒のうち、米の外側を削って元の重さの60%以下にした米を使う、香りの高い等級です。報道写真には、ダムの通路で「徳の山」の瓶を手にする蔵の関係者が写っていました。
町おこしから始まった「ダム貯蔵酒」

ダム貯蔵酒は2024年、所酒造と地元の酒販店が、町を盛り上げようと始めた取り組みです。報道によると、熟成を経た酒はやわらかい味わいに仕上がったといいます。一般に、ダム内部の通路は外の気温の影響を受けにくく、年間を通じて低めで安定した温度が保たれやすいとされます。光が届かず、振動も少ない環境です。日本では、トンネルや洞窟、雪を使った貯蔵庫など、自然の涼しさを利用して酒を寝かせる試みが各地で行われていて、今回の取り組みもその流れの一つといえます。引き上げた酒は10月2日から、所酒造と道の駅で販売を始めています。
ヨーロッパの読者が注目したい点

このダム貯蔵酒は地元での限定販売で、同じ瓶をヨーロッパで手に入れるのは難しいでしょう。それでも、「低温で静かに、ゆっくり寝かせる」という考え方に通じる酒は、ヨーロッパでも探せます。日本酒専門店やレストランでは、ラベルや説明に「熟成」「貯蔵」、英語なら「aged」「cellar-aged」とある酒を探してみてください。同じ蔵のしぼりたての酒と並べて飲み比べると、熟成による口当たりの違いを感じやすくなります。純米吟醸は冷やしすぎると香りが閉じるため、白ワイン用のグラスに注ぎ、10〜15℃くらいから少しずつ温度が上がっていく変化を楽しむ方法があります。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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