GI南会津、2026年度の認定酒11本が決定
福島県南会津町の清酒GI「南会津」で2026年度の審査があり、町内4蔵の11本が、町の米と水だけで造る認定酒に選ばれた。
「南会津」というGIの中身
GI(地理的表示)は、品質や評価が産地の気候や伝統と結びついたお酒にだけ、その地名を名乗ることを認める制度です。シャンパーニュを名乗るには決まった地域と基準を守る必要がありますが、考え方はそれと同じです。日本の国税庁は2024年8月30日、福島県南会津郡南会津町の清酒を「南会津」としてGIに指定しました。日本のお酒のGIとしては17例目で、福島県では初めての指定です。南会津町は東北地方の最も南にあり、険しい山に囲まれた雪の多い町です。認定を受けるには、専門家による毎年の審査会で、生産基準と味わいの基準の両方を満たす必要があります。2026年度は町内4蔵の11本が合格しました。
町の米と町の水だけで造る
基準は厳しく定められています。米と米こうじには町内で収穫した米だけを使い、仕込み水も町内でくんだものに限られます。醸造アルコールや糖類は加えられません。さらに、日本の高品質な区分である「特定名称酒」であること、そして醸造から貯蔵、瓶詰めまでをすべて町内で行うことが条件です。仕込み水は、阿賀川と伊南川の上流から得られる平均硬度約30mg/Lの軟水です。この水を使うと発酵がゆっくり進み、口当たりがやわらかく上品な甘みのお酒に仕上がりやすくなります。冬は蔵に積もった雪が断熱材の役目を果たし、蔵の中の温度が安定します。この環境が、リンゴやメロンを思わせる果実のような香りを生む一因とされています。
花泉酒造の認定酒と、ヨーロッパでの楽しみ方
認定蔵の一つである花泉酒造からは、「皐ロ万 純米大吟醸 一回火入れ」「ロ万 純米大吟醸 原酒一回火入れ(福乃香35)」「十ロ万 純米大吟醸 一回火入れ」の3本が選ばれました。純米大吟醸は、米を半分以上削って精米し、米、米こうじ、水だけで造る最上位の区分です。一回火入れは加熱殺菌を1回だけにしたもので、フレッシュな風味が残ります。原酒は水を加えずにそのまま瓶詰めしたお酒を指します。「十ロ万」は9月上旬に発売される予定でした。認定酒には4蔵共通のGI南会津マークが貼られます。マークのデザインは、町の伝統行事「会津田島祇園祭」の行列と、お酒を飲む杯がモチーフです。
ヨーロッパでGI南会津のお酒を探すときは、ラベルのGIマークと「Minamiaizu」の表記を目印にしてください。このマークは、原料も造りも一つの町で完結していることを示しています。ワインのテロワールと同じ視点で味わえるのが魅力です。冷蔵庫で冷やしてからワイングラスに注ぎ、やわらかな甘みと果実のような香りがどう調和するか、後味がどれだけすっきりしているかを確かめてみてください。一回火入れのお酒は冷蔵で保存し、開けたら早めに飲み切るのがおすすめです。
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