「クリア アサヒ」がビールへ 酒税改正で大手が規格変更
アサヒビールは2008年発売の『クリア アサヒ』を「新ジャンル」から「ビール」に切り替え、10月27日に『クリア アサヒ<生>』として日本全国で発売する。

新ジャンルから「ビール」へ

日本の酒税法では、ビールに似た飲み物を麦芽の比率や原料によっていくつかの区分に分けている。「ビール」、麦芽の少ない「発泡酒」、そして麦芽以外の原料を使ったり、スピリッツを加えたりする「新ジャンル」(第3のビールとも呼ばれる)だ。税率が低い区分ほど店頭価格も安くなる。『クリア アサヒ』は2008年の発売以来、新ジャンルの商品として、すっきりした飲み口で支持されてきた。今回、アサヒビール(本社・東京)は中身とパッケージを新しくし、区分をビールに変える。商品名には「<生>」を加え、缶の中央にも「生ビール」と大きく書くことで、ビールになったことが分かりやすいようにした。
麦芽を増やし、鮮度にこだわった造り

新しい中身は麦芽の比率を高め、飲食店のサーバーから注いだばかりの生ビールに近い味わいを目指した。製造中に生まれる劣化の原因となる物質を抑える独自の「鮮度製法」で、雑味のない澄んだ後味に仕上げたという。アルコール度数は5%で、缶には純アルコール量が350ml缶で14g、500ml缶で20gと表示される。北海道から九州の博多まで国内6つの工場で造られる。飲食店向けの樽製品も10月6日から順に切り替わっている。缶のデザインは、ブランドの特徴である黄色と白の2色と、こぼれる泡の絵柄をそのまま残した。
酒税改正が後押しする「ビール回帰」

この動きの背景には、10月の酒税改正がある。日本ではビール類の税率を段階的に一本化する見直しが進められてきた。今回の改正ではビールが減税の対象となり、ビールへの関心が高まると見込まれる。新ジャンルの値段の安さが目立たなくなるなか、アサヒは人気ブランドをビールに移し、ビール市場での存在感を高めたい考えだ。税制の変化が、商品の区分そのものを変えるきっかけになった形だ。
『クリア アサヒ<生>』は日本国内向けの商品だが、ヨーロッパのアジア食材店などで日本の缶飲料を見かけたら、裏面の「品目」欄を見てほしい。「ビール」「発泡酒」「リキュール(発泡性)」といった表示から、その缶がどの区分で造られたかが分かる。また、日本のビールの「生」は熱処理をしていないことを意味し、日本酒の「生酒(なまざけ)」と同じ考え方だ。日本酒が好きな人なら、この共通点を手がかりに日本のビールのラベルを読み比べてみると楽しい。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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