The Sake Wire

秩父、日本酒とワインとビールが並ぶ酒どころ

埼玉県秩父で日本酒蔵とワイナリー、ブルワリーなど9社が集まる「秩父酒蔵まつり2026」が開かれ、ブドウの搾りかすで造る低アルコールワインなど新しい試みも紹介された。

秩父の酒蔵やワイナリーが集まる「秩父酒蔵まつり」の告知画像
秩父の酒蔵やワイナリーが集まる「秩父酒蔵まつり」の告知画像 — 画像提供: PR TIMES(西武レクリエーション株式会社)(プレスリリースより)

東京から北西へ電車で約1時間半、山に囲まれた埼玉県秩父地域は、日本酒、ワイン、クラフトビール、ウイスキー、ミード(蜂蜜酒)がひとつの盆地で造られている珍しい土地です。運営会社の西武レクリエーションによると、10月10日には西武秩父駅前の温泉施設「祭の湯」で、地域の造り手9社が集まる1日限りの「秩父酒蔵まつり2026」が開かれました。開催は今年で2回目でした。また、10月1日から11月29日までは地元ワイナリー3社のワインフェアも開かれています。

1つの谷に9つの造り手

プレスリリースに掲載された秩父酒蔵まつりの会場の様子
プレスリリースに掲載された秩父酒蔵まつりの会場の様子 — 画像提供: PR TIMES(西武レクリエーション株式会社)(プレスリリースより)

出店したのは、日本酒の矢尾本店、武甲酒造、藤﨑摠兵衛商店。ビールは矢尾本店と秩父麦酒、ワインは秩父ワイン、秩父兎田ワイナリー、Winery Passionの3社です。ほかにウイスキーのBAR Te・Airigh、ミードのディアレットフィールド醸造所が加わりました。ふだんは同じ施設で扱っていない銘柄も限定で販売されたといいます。日本酒の蔵がビール造りも手がけ、ワイナリーがウイスキー蒸留所の樽を使う。秩父では、こうした酒の種類をまたぐつながりが自然に生まれています。

花の酵母のビールと、搾りかすのワイン

秩父の造り手たちによる新商品を紹介する告知画像
秩父の造り手たちによる新商品を紹介する告知画像 — 画像提供: PR TIMES(西武レクリエーション株式会社)(プレスリリースより)

ヨーロッパの読者にとって注目したいのは、新しいスタイルの酒です。矢尾本店のFEST365ブランドが出した「ちちぶミズキクラフトビール」は、ミズキという落葉樹の花から採った酵母で造られています。誕生には、木を伐らずに樹液などを生かす林業に取り組むNPO法人秩父百年の森の島崎武重郎氏が関わりました。Winery Passionの「CinnaHop Bé-A」は、ワイン造りで出るブドウの搾りかすを再利用した低アルコールワインで、ホップとシナモンの香りが特徴です。秩父兎田ワイナリーは、地元で育てた白ブドウのセイベル9110と甲斐ブランのワインを、秩父の蒸留所から届いたピーテッド(ピートでいぶした麦芽を使う)ウイスキーの樽で熟成させ、スパークリングに仕上げました。

小さな畑の赤ワインと地元の食

秩父酒蔵まつりで提供される地元料理のイメージ
秩父酒蔵まつりで提供される地元料理のイメージ — 画像提供: PR TIMES(西武レクリエーション株式会社)(プレスリリースより)

秩父ワインは、両神山のふもとにある自社畑で植え替え前に最後に収穫したマスカット・ベーリーA(日本で生まれた赤ワイン用品種)とブラック・クイーンを使い、特別な赤ワインを造りました。実の数を減らして収穫量を抑え、低温で仕込んでいます。ワインフェアでは、地元の漬物「しゃくし菜」を使ったクリームチーズやこんにゃくのステーキなど、秩父の食材と合わせる提案も用意されています。

ヨーロッパで秩父を楽しむなら、まず「日本酒の産地」という見方を少し広げてみてください。秩父は日本酒の蔵とワイナリー、ブルワリー、蒸留所が隣り合う、ヨーロッパのワイン産地に近い造りの地域です。日本酒専門店やワインショップで「Chichibu」の名を見つけたら、日本酒と日本ワインを並べて、同じ土地の水と気候がそれぞれにどう表れるかを比べるのも一案です。ウイスキー樽で熟成したワインや、搾りかすを再利用した低アルコールの酒は、ヨーロッパで広がる「ノー・ロー(ノンアルコール・低アルコール)」やサステナビリティの流れとも重なり、今後の輸出の動きにも注目したいところです。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

秋田の酒を EU で試す — €6 から

180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

ショップへ →