秋田の醸造用ブドウ、長雨でも糖度高く40年目の出荷
秋田県横手市で醸造用ブドウの出荷が始まり、長雨で収量は減ったが糖度は高く、オーストリア品種ツヴァイゲルトレーベの試験栽培も実を結びつつある。

契約栽培40年、北国の小さな産地

秋田県は本州北部の日本海側にあり、日本酒の米どころとして知られます。その内陸の横手市大森町で、2026年9月10日、ワイン用ブドウの今年の出荷が始まりました。栽培しているのは農家4戸でつくる生産組合です。組合は国内大手のワインメーカー、メルシャンと契約し、約3ヘクタールの畑を管理しています。大森産のブドウを使ったワインは1986年に発売され、今年で40周年を迎えました。初日は8.5トンが、日本ワインの中心的な産地である山梨県のワイナリーへ運ばれました。今年の出荷量は約14トンの見込みとされ、ワインとして発売されるのは2027年5月以降の予定です。
長雨で量は減っても、糖度は上がった

8月下旬から9月初めにかけて雨が続いたため、収量はおよそ2トン減る見通しでした。一方、実が育つ5月から7月は好天に恵まれ、糖度は例年を上回りました。生産組合の讃岐孝夫組合長は、房が大きく品質の良いブドウができたと話し、おいしいワインになるだろうと期待を示しました。収穫前の雨は醸造用ブドウにとって悩ましいものですが、今年は生育期の天候が品質を支えた形です。
ツヴァイゲルトレーベが開く赤ワインの可能性

もう一つ注目したいのが、3年前に試験栽培を始めた赤ワイン用の品種「ツヴァイゲルトレーベ」です。ツヴァイゲルトとも呼ばれ、オーストリアで最も広く栽培されている黒ブドウなので、ヨーロッパの読者にもなじみがあるでしょう。寒さに比較的強く、日本でも北海道などの冷涼な地域で栽培されています。大森町では今年約2トンを収穫し、赤ワインとして商品化されることへの期待が寄せられています。
ヨーロッパで日本のワインを探すときは、ラベルの「日本ワイン(Nihon Wine)」という表示が目印になります。日本の表示ルールでは、国産ブドウだけを使い国内で醸造したワインにしか使えない言葉です。雪国で育ったブドウのワインでは、冷涼な産地らしい酸と、今年のような高い糖度がどう釣り合うかに注目して味わってみてください。オーストリアやドイツのツヴァイゲルトを知っている人にとっては、同じ品種が日本の北国でどんな赤ワインになるのか、今後の商品化の行方も気になるところです。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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