The Sake Wire

四斗樽をまとってNYFWへ 山口・阿武の鶴酒造の挑戦

山口県の阿武の鶴酒造が2026年9月のニューヨーク・ファッションウィークに参加し、六代目の三好隆太郎さん本人と蔵の四斗樽がランウェイに登場した。

Kentaro Kameyamaのショーでランウェイに登場した阿武の鶴酒造の四斗樽
Kentaro Kameyamaのショーでランウェイに登場した阿武の鶴酒造の四斗樽 — 画像提供: PR TIMES(阿武の鶴酒造合資会社)(プレスリリースより)

山口県阿武町(本州の西端、日本海に面した小さな町)にある阿武の鶴酒造が、2026年9月に開かれたニューヨーク・ファッションウィーク(2027年春夏コレクション)に参加した。参加したのはデザイナーKentaro Kameyama氏のショーだ。六代目の三好隆太郎さんが自らランウェイを歩き、蔵から運んだ四斗樽は現地のモデルが身にまとって登場した。日本酒を「飲んでもらう」だけで終わらせず、酒蔵の文化そのものを別のかたちで世界に届けようとする試みだ。

祝いの樽を、服として

四斗樽を身にまとってランウェイを歩くモデル
四斗樽を身にまとってランウェイを歩くモデル — 画像提供: PR TIMES(阿武の鶴酒造合資会社)(プレスリリースより)

四斗樽は大きな木の樽で、日本の祝いの席の「鏡開き」でおなじみだ。鏡開きは、木槌で樽のふたを割って酒をふるまう儀式である。三好さんはこの樽を、阿武町からニューヨークまで自分で運んだ。伝統をそのまま見せるのではなく、現代のファッションと組み合わせる。そうすることで、日本酒になじみのない人にも新しい入口をつくろうとしている。ショーへの参加は、レストラン「La BOMBANCE」の料理長・岡元信さんの紹介で実現した。

34年の休業から蘇った蔵

ニューヨークのランウェイに立つ阿武の鶴酒造の六代目・三好隆太郎さん
ニューヨークのランウェイに立つ阿武の鶴酒造の六代目・三好隆太郎さん — 画像提供: PR TIMES(阿武の鶴酒造合資会社)(プレスリリースより)

阿武の鶴酒造は創業125年の蔵だが、先々代のときに酒造りを止め、34年間休業していた。三好さんは東京の大学で建築を学び、大手アパレル会社でデザイナーとして店舗の内装を手がけていた。24歳で会社を辞め、千葉・埼玉・岐阜・青森の4つの酒蔵で修業する。2014年に実家へ戻り、2016年から自ら酒を造り始めて、銘柄「三好」を立ち上げた。デザインの世界から来た造り手がランウェイに立ったのは、自然な流れだったともいえる。

ヨーロッパでも評価される「三好」

「三好」はヨーロッパのコンクールでも結果を出している。2021年、スペインの国際酒類コンクールCINVEで、純米吟醸の「三好 Green」が金賞、純米の「三好 Blue」が銀賞を受けた。2022年にイタリアで開かれたMILANO SAKE CHALLENGEでは、Greenが金賞を受賞した。さらに、トマトとモッツァレラのカプレーゼとの組み合わせで、料理との相性を競う部門の最優秀賞にも選ばれた。Blueはティラミスとの組み合わせで同じ賞を得ている。

純米酒は米・米麹・水だけで造る日本酒だ。純米吟醸はそのうち、米の外側を削って元の重さの60%以下にし、低温でゆっくり発酵させたもので、華やかな香りが特徴とされる。ミラノの大会では、Greenがカプレーゼ、Blueがティラミスとの組み合わせで評価された。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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