The Sake Wire

創業149年の吉乃友酒造、看板純米酒を辛口からフルーティーへ

富山の老舗・吉乃友酒造が経営体制と醸造設備を刷新し、定番の純米酒「純」をアルコール度数14%のフルーティーな食中酒として生まれ変わらせた。

猪口に注がれる純米酒、フルーティーな食中酒の雰囲気
猪口に注がれる純米酒、フルーティーな食中酒の雰囲気 — 写真: Liana S(Unsplash)

吉乃友酒造(よしのともしゅぞう)は1877年創業の酒蔵で、富山県富山市にあります。富山県は本州の中央部、日本海側に位置し、蔵は地元の水と米を生かした酒造りを続けてきました。創業149年目にあたる2026年4月、同蔵は経営体制を新しくし、醸造環境を整え直したと発表しました。その最初の成果として、長年の定番酒「純」の中身とデザインを全面的に改め、2026年5月1日に発売しました。

伝統を守るために、造りを見直す

代表取締役の三井信賢氏のもとで進められた今回の刷新は、単なるラベルの変更ではありません。蔵は醸造設備を見直し、杜氏(とうじ、酒造りの責任者)の手仕事をより正確に酒に反映できる環境を目指しました。手作業の良さを残しながら、管理を細かくすることで、品質をより安定させる狙いです。同蔵は純米造り、つまり醸造アルコールを加えず、米と米こうじと水だけで造ることにこだわっており、この方針を次の世代へ受け継ぐための改革だと位置づけています。

辛口からマスカットのような瑞々しさへ

みずみずしい果実味をイメージさせる緑のぶどうとグラス
みずみずしい果実味をイメージさせる緑のぶどうとグラス — 写真: Evgeniy Alekseyev(Pexels)

新しい「純」の最大の変化は味わいです。これまでのすっきりとした辛口から、蔵が「マスカットを口に含んだよう」と表現するフルーティーでみずみずしい方向へ大きく舵を切りました。旨味の輪郭をはっきりさせ、甘味と酸味のバランスを整えたといいます。アルコール度数は14%と、一般的な日本酒より少し低めに設計されており、食事の最後まで軽やかに楽しめることを意識しています。和食だけでなく、洋食やエスニック料理にも合わせることを想定した「食中酒」です。ボトルは従来のラベルの個性を残しつつ、白を基調にしたモダンなデザインに変わりました。容量は300ml、720ml、1800mlの3種類で、日本での希望小売価格は税別743円、1,700円、3,450円です。

ヨーロッパの食卓で味わうなら

冷えた日本酒をワイングラスに注いだイメージ
冷えた日本酒をワイングラスに注いだイメージ — 写真: Anna Kumpan(Unsplash)

現時点で、新しい「純」の海外展開についての発表はありません。ヨーロッパで探す場合は、日本酒を扱う専門店や輸入業者に問い合わせるのが近道です。今回のリニューアルは、老舗の蔵が伝統的な辛口から、軽くて果実味のある純米酒へと方向を変えた例として注目に値します。手に入ったら、よく冷やしてワイングラスに注ぎ、白身魚のグリル、魚介のタパス、ハーブを使ったサラダなど、軽めの料理と合わせてみてください。日本酒は熱や紫外線で劣化しやすいため、冷蔵庫で保管し、開けたら早めに飲み切るのがおすすめです(SAKE Street)。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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