The Sake Wire

東北18醸造所が岩手産ホップで競演、秋田でも仕込み開始

秋田市のクラフトビール醸造所「秋田あくらビール」が岩手県遠野市産ホップ「IBUKI」での仕込みを始め、東北の18醸造所が11月にそろって発売する。

収穫期を迎えたホップ畑のつる
収穫期を迎えたホップ畑のつる — 写真: Donovan Kelly(Pexels)

遠野のホップが秋田の仕込み釜へ

収穫されたばかりの緑色のホップの毬花
収穫されたばかりの緑色のホップの毬花 — 写真: Sabbra Cadabra(Unsplash)

秋田県は、日本の北東部にある東北地方のうち、日本海側に位置する県だ。県都・秋田市の中心部、大町にあるクラフトビール醸造所「秋田あくらビール」で9月25日、新しいビールの仕込みが始まった。使うのは、隣の岩手県の内陸にある遠野市で収穫されたホップ「IBUKI」。地元紙の秋田魁新報は、醸造所の佐藤さんがこのホップを釜に投入する様子を伝えている。遠野市は、日本国内でも知られるホップ産地の一つだ。

「東北とれたてホッププロジェクト」とは

収穫されたばかりの青々としたホップの実(毛状の苞が密集した円錐形の房)
収穫されたばかりの青々としたホップの実(毛状の苞が密集した円錐形の房) — 写真: Donovan Kelly(Pexels)

今回の仕込みは、「東北とれたてホッププロジェクト」の一環として行われている。東北地方の18の醸造所が同じIBUKIを使ってそれぞれのビールを造り、11月にそろって販売するという取り組みだ。原料のホップは共通でも、どんなスタイルやレシピに仕上げるかは各醸造所に委ねられる。同じホップが造り手によってどう表情を変えるのかを比べられる点が、このプロジェクトの面白さだろう。

「どこで育ったか」を語り始めた日本のビール

黄金色のビールとホップの毬花
黄金色のビールとホップの毬花 — 写真: Donovan Kelly(Pexels)

世界のビール造りでは、ドイツのハラタウやチェコのザーツ、米国の産地などのホップが主流で、日本のクラフトビールも輸入ホップに頼る場面が少なくない。そうした中で、地域で育ったホップを軸に複数の醸造所が手を組む動きは、日本のビールが原料の産地や鮮度を自分たちの個性として打ち出し始めていることの表れと言えそうだ。プロジェクト名にある「とれたて」という言葉からは、その年に収穫されたホップの香りを届けたいという狙いがうかがえる。

11月に出るビールは基本的に日本国内向けの季節限定品で、ヨーロッパで18種類を飲み比べる機会はまずないだろう。それでも、この流れを知っておくと楽しみ方が広がる。日本のクラフトビールを扱う専門店やビアバーでは、ラベルや説明に使用ホップの品種や産地が書かれているかに注目したい。「IBUKI」や「遠野」の名前を見つけたら、日本の畑で育ったホップの個性に触れる機会になる。秋にヨーロッパ各地で出回る収穫期のホップを使ったビールと並べて飲み、土地による香りの違いを確かめてみるのも一案だ。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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