The Sake Wire

宝HD、新中計で2030年度売上高4930億円超へ

京都の宝ホールディングスが、4期連続の営業減益を経て、2030年度に売上高4930億円以上を目指す新しい5か年計画を発表した。

日本酒の瓶が並ぶ様子
日本酒の瓶が並ぶ様子 — 写真: Andy Lee(Pexels)

4期連続の営業減益からの立て直し

右肩上がりの業績グラフのイメージ。中期経営計画の成長目標を表すグラフィック
右肩上がりの業績グラフのイメージ。中期経営計画の成長目標を表すグラフィック — 写真: Aurelijus U.(Pexels)

京都に本社を置く宝ホールディングス(宝HD)は2026年5月13日、5か年の経営計画「宝グループ中期経営計画2030」を発表しました。日本の上場企業は数年ごとに「中期経営計画」として経営目標を公表します。今回の計画は2030年度(2031年3月期)が最終年度です。数値目標は、売上高4930億円以上、営業利益378億円以上です。あわせて、投下資本に対する利益率(ROIC)7%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上も掲げました。

この計画の背景には、前回の計画の厳しい結果があります。2025年度までの「中期経営計画2025」では、成長分野と位置づけた海外の日本食材卸事業とバイオ事業に大きく投資しました。しかし業績は計画を大きく下回り、営業利益は4期続けて前年を下回りました。新計画は、この流れを反転させるための目標といえます。

「大手」の中でも別格の規模

日本の酒造会社の多くは中小企業です。日本の中小企業基本法では、清酒製造業の中小企業を「資本金3億円以下、または従業員300人以下」と定めています。宝HDは資本金約132億円の上場企業で、この基準を大きく超えています。また、年間出荷量が3,000キロリットルを超える酒造会社の一つでもあります。この規模になると、日本の制度では通信販売の免許を受けられず、全国に流通する大手ブランドとして扱われます。こうした大手の出荷量を合計すると、日本全体の64.2%を占めます。宝HDの経営方針は、日本の酒の流通全体に影響しうる規模の企業のものだということです。

海外の日本食卸に注目

海外のアジア食材店に並ぶ輸入食品や調味料の棚
海外のアジア食材店に並ぶ輸入食品や調味料の棚 — 写真: Zoshua Colah(Unsplash)

前回の計画で投資の中心だったのが、海外の日本食材卸事業です。日本の食材を海外の飲食店や小売店に届けるこの事業は、ヨーロッパにも販売網を持っています。発表時点で明らかになったのは財務目標が中心で、海外卸事業をどう立て直すのかは示されていませんでした。今後の詳しい発表に注目です。

ヨーロッパの読者にとって、このニュースは身近な話でもあります。近所の日本食材店やアジア食材店に並ぶ日本の酒や調味料の一部は、こうした大手の卸網を通って届いている可能性があるからです。大手メーカーの日本酒は品質が安定している傾向があり、手に入れやすいため、日本酒の基準を知る手がかりになります。小さな蔵の酒と飲み比べると、スタイルの違いが分かりやすいでしょう。大手が海外流通への投資を続けるかどうかは、これからヨーロッパの棚に並ぶ日本の酒の種類や量に影響する可能性があります。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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