The Sake Wire

生ワサビをすり入れる新潟の“追いワサビ”ビール

新潟県の弥彦ブリューイングが柏崎産のワサビを副原料にしたクラフトビールを開発し、燕市製のおろし金とのセットで「追いワサビ」という飲み方を提案している。

グラスに注がれたクラフトビール(本文のビールと追いワサビの世界観を表すイメージ)
グラスに注がれたクラフトビール(本文のビールと追いワサビの世界観を表すイメージ) — 写真: Pavel Danilyuk(Pexels)

新潟県は日本海側にあり、米どころ、酒どころとして知られています。県の中央部にある弥彦村でクラフトビールを造る弥彦ブリューイングが、県内の柏崎市で育ったワサビを副原料に使ったビールを開発しました。地元紙の新潟日報が2026年10月5日に伝えています。ビールと一緒に、燕市で作られたおろし金もセットで販売しています。

本わさびをビールの副原料に

ワサビは、柏崎市西山町にある日本海石地わさび園のものを使っています。ヨーロッパで「ワサビ」として売られているチューブや粉の多くは、ホースラディッシュ(西洋わさび)が主な原料です。ワサビという植物の根茎そのものとは違います。本物のワサビは、強い辛さよりも、青く清々しい香りとほのかな甘みが特徴とされます。弥彦ブリューイングは以前から、このわさび園のワサビでビールを造ることを考えていたそうです。日本の素材をビールに取り入れる試みとしても、地元の農家とのつながりから生まれた一本としても、興味深い例です。

燕のおろし金とセットで「追いワサビ」

金属製のおろし金(燕市の金属加工イメージ)
金属製のおろし金(燕市の金属加工イメージ) — 写真: Jaye Haych(Unsplash)

この商品の目玉は、おろし金とのセットです。燕市は金属加工の町として知られ、洋食器や調理器具の産地として世界中に製品を送り出しています。飲む人は生のワサビを自分ですりおろし、グラスのビールに加えます。後から香りを足して楽しむこの飲み方を、「追いワサビ」と名付けています。

きっかけは、ちょっとした縁でした。弥彦ブリューイングは系列の酒店で栓抜きを売っていました。そこへ燕市の厨房用品卸、エムテートリマツが、同じ店でおろし金を扱わないかと持ちかけたのです。前からあったワサビビールの構想とおろし金の提案が結びつき、ビールと道具をまとめて届ける商品になりました。

このビールがヨーロッパで手に入るかどうかは、今のところ伝えられていません。それでも「すりたてのワサビをビールに足す」という発想は、自宅でも試せます。生のワサビの根茎は、ヨーロッパでも一部の日本食材店や、ワサビを栽培する生産者から買えることがあります。目の細かいおろし金で円を描くようにゆっくりすりおろし、飲む直前に少しずつ加えてみてください。香りは時間とともに飛びやすいので、一口ごとの変化を確かめるのがおすすめです。合わせるなら、苦味が強すぎない軽めのビールがよいでしょう。刺身や寿司のように、もともとワサビを添える料理と一緒に味わうのも一案です。日本の醸造家が、地元の素材と職人の道具を組み合わせて新しい飲み方を提案する。その流れの一つとして、注目しておきたい話題です。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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