The Sake Wire

古都・奈良の地下水で醸す新ビール

奈良の新醸造所MUGEN Brewingが、大和盆地の地下約200mの水でペールエールとIPAを造り始めた。

MUGEN Brewingの最初の2銘柄、IPAとペールエール(提供イメージ)
MUGEN Brewingの最初の2銘柄、IPAとペールエール(提供イメージ) — 画像提供: PR TIMES(ワールド・ヘリテイジ)(プレスリリースより)

日本の古都・奈良で、ホテル運営会社の株式会社ワールド・ヘリテイジ(World Heritage Co., Ltd.)がクラフトビール醸造所「MUGEN Brewing」を立ち上げた。2026年10月3日に、最初のビールを地元のイベントで出した。醸造所は奈良ロイヤルホテル(Nara Royal Hotel)の中にある。仕込み水は、大和盆地の地下約200mから汲み上げた地下水だ。奈良は日本酒の土地として知られている。その奈良で、地元の水をビールに使った試みである。

宮中の酒造りの地から、水を出発点に

奈良には約1300年前、日本の都が置かれていた。醸造所はその宮殿の跡地「平城宮跡」のすぐ近くにある。平城宮には、宮中で飲む酒を造る役所「造酒司(みきのつかさ)」があり、その井戸の跡が今も残っている。大和盆地の地下水は、奈良の名高い酒蔵の酒造りも支えてきたという。ビールの成分の約9割は水だ。多くのクラフトブルワリーはホップや副原料で個性を出すが、MUGEN Brewingは水を出発点にした。

ペールエールとIPA、「喉で飲む」ビール

奈良ロイヤルホテルの坂本総支配人(左)とブルワーの伊藤修平氏(右)
奈良ロイヤルホテルの坂本総支配人(左)とブルワーの伊藤修平氏(右) — 画像提供: PR TIMES(ワールド・ヘリテイジ)(プレスリリースより)

最初の銘柄は2つ。ペールエールは、松のような香りとほのかな甘さを持つアメリカンホップを使い、軽く飲みやすく仕上げた。IPAはホップをたっぷり使い、華やかな香りとしっかりした苦みを出している。季節限定の銘柄も順次加わる予定だ。醸造責任者の伊藤修平氏は、2022年から静岡県と愛知県で醸造を学んだ。2024年からは大阪のブリューパブでヘッドブルワーを務めてきた。伊藤氏は「ビールは頭ではなく喉で飲むもの」と話す。スタイルにこだわりすぎず、仲間と気軽に楽しんでほしいという。始めた理由についてホテル側は、奈良の酒といえば日本酒の印象が強く、地元のクラフトビールがまだ少ないことを挙げている。

今のところ飲めるのは、奈良県内にあるグループ5施設のレストランとイベントだけだ。ヨーロッパへの出荷は発表されていない。ただ、お土産向けの瓶ビールが計画されており、最新情報は公式Instagramで発信される。この話で注目したいのは「水」という視点だ。日本酒では、仕込み水の硬さや産地が味を左右するとよく言われる。同じ考え方がクラフトビールにも当てはまるのかもしれない。ヨーロッパで日本のクラフトビールを選ぶときは、ホップの種類だけでなく、どこの水で造られたかも確かめてみたい。奈良の日本酒と並べて飲めば、同じ盆地の水が2つの酒でどう違って表れるかを想像する楽しみもある。

参考・出典 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000061689.html

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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