The Sake Wire

元ドン ペリニヨン醸造責任者の日本酒IWAに三越伊勢丹が出資

元ドン ペリニヨン醸造最高責任者が富山で造る日本酒「IWA」の白岩に、三越伊勢丹グループの投資会社が出資し、資本業務提携を結んだ。

三越伊勢丹イノベーションズと白岩の資本業務提携を伝える公式バナー
三越伊勢丹イノベーションズと白岩の資本業務提携を伝える公式バナー — 画像提供: PR TIMES(白岩)(プレスリリースより)

日本の老舗百貨店グループ、三越伊勢丹の新規事業と投資を担う三越伊勢丹イノベーションズは2026年9月28日、日本酒ブランド「IWA」を手がける白岩(しらいわ)と資本業務提携を結んだと発表した。白岩は、シャンパーニュの名門ドン ペリニヨンで醸造最高責任者を長く務めたフランス人、リシャール・ジョフロワ(Richard Geoffroy)氏が日本で立ち上げた酒蔵だ。出資額は発表されていない。シャンパーニュで培われた技術から生まれた日本酒に日本の大手小売グループが出資したことは、ヨーロッパの酒好きにとっても注目したい話題だ。

シャンパーニュの「ブレンド」を日本酒で

白岩が発表した日本酒「IWA」の公式写真
白岩が発表した日本酒「IWA」の公式写真 — 画像提供: PR TIMES(白岩)(プレスリリースより)

ジョフロワ氏は1990年から2018年までドン ペリニヨンの第5代シェフ・ド・カーヴ(醸造最高責任者)を務め、2019年に富山県立山町で白岩を設立した。富山県は本州の中央部、日本海側にあり、立山連峰の雪解け水で知られる地域だ。IWAの中心にあるのは、シャンパーニュで重視される「アッサンブラージュ」という手法だ。性格の異なる複数の原酒を組み合わせ、単独の酒では出しにくい調和と奥行きを目指す。日本酒は通常、ひとつの仕込みごとに個性を打ち出すことが多く、ブレンドを主役にするのは珍しい考え方といえる。代表銘柄の「IWA 5」はすでに世界各地のミシュラン星付きレストランや、航空会社の上位クラスで提供されている。

百貨店の販売網と、作り手への還元

資本業務提携を発表した白岩の「IWA」の公式画像
資本業務提携を発表した白岩の「IWA」の公式画像 — 画像提供: PR TIMES(白岩)(プレスリリースより)

提携により、伊勢丹新宿店や日本橋三越本店などグループの百貨店や、富裕層向けの外商(訪問販売)でIWAの取り扱いを順次増やす。グループの海外店舗での展開や、旅行・レストラン事業と組み合わせた体験づくりも計画している。両社は、生まれた収益の一部を次世代の作り手や産地に再投資するとしている。背景には、2024年12月に日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されて海外での関心が高まる一方、国内の日本酒市場は長く縮小し、後継者や人手の不足が続いているという業界の事情がある。

ヨーロッパでの楽しみ方

白岩が公開した「IWA」の公式写真
白岩が公開した「IWA」の公式写真 — 画像提供: PR TIMES(白岩)(プレスリリースより)

IWAは、ワインやシャンパーニュに親しんだ人が日本酒の世界に入るきっかけになりうる一本だ。探すなら、日本酒専門店や、日本酒リストのある高級レストランで「IWA 5」の名前をチェックしたい。飲むときは、香りが広がりやすいワイングラスを使い、冷やしすぎない温度で、時間とともに変わる味わいを確かめてみるのも一案だ。ひとつの蔵の個性ではなく「組み合わせの妙」を味わうという視点を持つと、ほかの日本酒との違いを感じ取りやすいかもしれない。今回の提携をきっかけに、日本国内での露出が増えるIWAが今後、海外でどう広がっていくかにも注目したい。

参考・出典

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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