The Sake Wire

公設研究所が支えた10度の純米大吟醸

秋田の酒造会社で若手女性社員のチームが企画し、県の食品研究所が技術面で支えたアルコール度数10%の純米大吟醸が日本で発売された。

純米大吟醸の日本酒をグラスに注ぐ様子
純米大吟醸の日本酒をグラスに注ぐ様子 — 写真: Frederick Shaw(Unsplash)

日本酒のアルコール度数は通常15%前後で、ワインより高めです。日本では近年、度数を下げた日本酒が注目されています。2026年4月23日、オエノングループ傘下の秋田県醗酵工業(本社:秋田県湯沢市)が、度数10%の純米大吟醸「零れ桜(こぼれざくら)~セノビ~純米大吟醸」を数量限定で全国発売しました。企画したのは入社1〜4年目の女性社員たちで、技術面は公設の研究機関が支えました。

若手チームと公設研究所の協働

企画したのは、同社の女性社員が昼食時の雑談をきっかけに結成した社内チーム「A-ribbon(エーリボン)」です。2020年に始めた「零れ桜」シリーズはこれが3作目で、同社にとって初めての低アルコール純米大吟醸になります。開発では、秋田県総合食品研究センター醸造試験場の主任研究員、上原智美氏らが技術面を支援しました。日本の多くの県には、こうした公設の醸造研究機関があり、地元の蔵の酵母開発や品質改善を手伝っています。商品のコンセプトは「少し背伸びして日本酒デビューを」です。初めて日本酒を飲む人に向けて企画されました。

度数を下げても純米大吟醸の造り

精米された酒米の粒(米粒の中心部のみを使用するイメージ)
精米された酒米の粒(米粒の中心部のみを使用するイメージ) — 写真: Petr Ganaj(Pexels)

原料米は秋田県産の酒米「秋田酒こまち」だけを使っています。精米歩合は50%で、米粒の外側を半分削り落とし、雑味の少ない中心部だけで仕込んでいます。この精米度合いで、醸造アルコールを加えない酒が「純米大吟醸」と呼ばれ、日本酒の最上位の等級の一つです。搾った後に濾過をせず(無濾過)、加熱殺菌は通常の2回ではなく1回だけ(一回火入れ)にとどめ、フレッシュさと米の旨味を残しました。日本酒度は-23.5、酸度は0.9です。日本酒度はマイナスが大きいほど甘口を示します。味わいはなめらかで軽い甘さがあり、りんごのような香りがする仕上がりになりました。

ヨーロッパでの楽しみ方

ワイングラスに注いだ冷えた日本酒
ワイングラスに注いだ冷えた日本酒 — 写真: Volker Loschek(Pexels)

この銘柄は今のところ日本国内向けの限定品です。ただ、度数の低い日本酒はヨーロッパの輸入酒の棚にも少しずつ並び始めています。ラベルや商品説明では、アルコール度数と日本酒度の2つを見てください。10〜13%で日本酒度が大きくマイナスなら、甘く軽やかなタイプであることが多いです。よく冷やしてワイングラスに注ぐと香りがわかりやすくなります。食前酒にしたり、フレッシュチーズや果物のデザートと合わせたりする楽しみ方もあります。リースリングのような軽い白ワインが好きな人なら、日本酒の入り口として試しやすい一杯です。

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