The Sake Wire

京都醸造の創業メンバーが青森で新醸造所

京都醸造の創業メンバーだったヘインジ・クリス氏が青森県つがる市に津軽醸造を設立し、地元の穀物を使ったビールの出荷を始めました。

青森県つがる市に誕生した津軽醸造の初リリースを告知するビジュアル
青森県つがる市に誕生した津軽醸造の初リリースを告知するビジュアル — 画像提供: PR TIMES(津軽醸造)(プレスリリースより)

日本のクラフトビールに携わってきた外国出身の醸造家が、新しい舞台に本州最北端の青森県を選びました。京都醸造(Kyoto Brewing Co.)の創業メンバーだったヘインジ・クリス氏は、2025年7月、青森県西部のつがる市に津軽醸造合同会社(Tsugaru Brewing Company)を共同で設立しました。2026年に発泡酒の製造免許を受けています。発泡酒は日本の酒税法でビールとは別に定められた区分です。4月16日に初仕込みを行い、6月から飲食店や酒販店向けの出荷を始めました。

20年ぶりに戻った土地で、もう一度ビールを

2026年4月16日、津軽醸造の初仕込み
2026年4月16日、津軽醸造の初仕込み — 画像提供: PR TIMES(津軽醸造)(プレスリリースより)

クリス氏はクラフトビール業界で15年以上の経験を持っています。実は約20年前、自治体の国際交流員としてつがるで働いていました。一度は業界を離れましたが、好きな場所でもう一度ビールを造りたいという思いが強くなっていったそうです。その頃、共通の知人を通じて出会ったのが、青森県平内町でホタテの養殖と加工を営む家に生まれた塩越遼太氏でした。酒を酌み交わしながら何度も話し合い、2人は共同創業を決めました。醸造所の準備資金は2025年のクラウドファンディングで集め、328人から832万円の支援を得ています。

米、小麦、そばで造る「土地のビール」

青森県産の穀物を原料にする津軽醸造の構想
青森県産の穀物を原料にする津軽醸造の構想 — 画像提供: PR TIMES(津軽醸造)(プレスリリースより)

津軽醸造が一番大切にしているのは原料です。多くのクラフトビールが輸入した麦芽やホップを主な原料にしているのに対し、同社は青森県産の米、小麦、そば、雑穀を積極的に使う方針を打ち出しています。2030年2月期までに、原料に占める地元穀物の割合を年間30%に、県内の取引先を100件に増やすという数値目標も掲げました。原料を近くで調達すれば、輸送にかかるエネルギーも減らせる可能性があります。将来は契約栽培や、タップルームと宿泊を組み合わせた拠点の運営も視野に入れています。

地方の醸造所が示す日本のビールの新しい姿

津軽醸造が手がけるローカルビール
津軽醸造が手がけるローカルビール — 画像提供: PR TIMES(津軽醸造)(プレスリリースより)

クリス氏が目指すのは、地域を優先する循環型のビールです。この土地の穀物を、この土地の人たちと醸すことを掲げています。副代表の塩越氏は、おいしいものを造る人がきちんと稼げる世界をつくりたいと話しています。

ヨーロッパでは、日本のクラフトビールといえばまだ大手や有名ブランドの輸出品が中心です。津軽醸造は出荷開始時点では国内の事業者向けが中心で、個人向けのオンライン販売は始めていませんでした。それでも、米やそばを副原料に使ったビールは、日本のビールの個性を知るうえで注目したいスタイルです。日本産のクラフトビールを見かけたら、原料の欄を確かめてみてください。米を使ったビールには、軽やかで後味がすっきりしたものもあり、魚介料理に合わせやすいとされています。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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