JALが国際線で紹介した大分の新星「久住」
日本航空が国際線の機内販売で、大分県の新しい蒸溜所がつくるシングルモルト「久住」の限定ボトルを2026年5月に数量限定で販売した。

日本航空(JAL)は、日本各地の小規模なクラフト蒸溜所のウイスキーを国際線の機内販売で紹介するシリーズを続けています。その第15弾に選ばれたのが、九州・大分県の久住蒸溜所がつくる「シングルモルト久住 JAL EXCLUSIVE 2026」です。2026年5月1日から31日までに出発する国際線で、数量限定で販売されました。創業から数年の若い蒸溜所が、空の上で世界の旅行者に紹介されたことになります。
醤油蔵の家業から生まれた若い蒸溜所
久住蒸溜所があるのは、日本の南西に位置する九州島の大分県竹田市久住町です。「九州の屋根」と呼ばれる山々、くじゅう連山のふもとにあります。運営する津崎商事は、大正時代から醤油づくりと酒の販売を営んできた会社で、長年温めてきた構想を形にして2021年に蒸溜所を開きました。蒸溜器には、スコットランドのフォーサイス社製のポットスチル(単式蒸溜器)を使っています。完成の翌年に出した「久住 New Born」は、国際的な品評会ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)のヤングスピリッツ部門で賞を受けており、熟成期間の短い原酒の段階から海外のウイスキー愛好家の注目を集めてきました。
バーボン樽と新樽を合わせたノンピートの一本

今回のボトルは、ファーストフィル(バーボンを抜いたあと初めてウイスキーの熟成に使う樽)のバーボン樽で3年間熟成した原酒と、アメリカンオークの新樽で熟成した原酒を合わせたものです。泥炭(ピート)で麦芽をいぶさないノンピートタイプで、スモーキーさはありません。バーボン樽らしい甘さに新樽の木の香りが重なり、オレンジを思わせる爽やかな果実味と、甘く心地よい余韻が特徴とされています。機内では700mlボトルがファーストクラスとビジネスクラスの乗客向けに21,000円(1回の搭乗で1人2本まで)、200mlボトルが国際線の全乗客向けに7,000円で販売されました。
機内販売という「ショーケース」

日本のクラフトウイスキーは生産量が少なく、海外で目にする機会はまだ限られています。国際線の機内販売は、大手の銘柄に比べて知名度の低い蒸溜所が、世界中から来た旅行者に直接手に取ってもらえる場です。JALはこのシリーズを15回重ねており、地方の新しい造り手を海外へ紹介する場として定着しつつあります。
この限定ボトルは5月の販売期間がすでに終わっており、ヨーロッパの読者が手にするのは難しいものの、「Kuju」の名前は覚えておく価値があります。ウイスキー専門店や日本ウイスキーを扱う輸入業者の品ぞろえで見かけたら、スモーキーなスコッチとは違う、バーボン樽由来の甘さと柑橘の香りに注目してみてください。まずはストレートで、その後に数滴の水を加えると、若い原酒の果実味が開くこともあります。創業から間もない蒸溜所の「今」の味を確かめられるのも、新しい造り手を追いかける楽しみです。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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