ビールの使用済みホップで醸すクラフトサケ「花風ぐるりこ」
秋田・男鹿の稲とアガベが、クラフトビール「よなよなエール」の使用済みホップを再生した粉末で醸すクラフトサケを数量限定で発売した。

日本の新しいクラフトサケ醸造所「稲とアガベ」(Inatoagave)が、ビール醸造で使い終えたホップを副原料にした『交酒 花風ぐるりこ 2026』を数量限定で発売しました。ホップは、長野県のヤッホーブルーイング(Yo-Ho Brewing)の代表銘柄「よなよなエール」の仕込みで使われたものです。酒造りの副産物を別の酒造りにまわす、循環型の試みです。
使い終えたホップを粉にして、もう一度酒に

共同開発したのは、食品のアップサイクルに取り組む埼玉県のスタートアップ、ASTRA FOOD PLAN(アストラ・フード・プラン)です。同社の装置「JOSEN」は、数百度の過熱水蒸気と熱風を組み合わせ、5〜10秒ほどの短時間で食材の乾燥と殺菌を同時に行います。熱による劣化が少なく、香りや風味を残しやすいのが特徴とされています。こうして作られた食品パウダーは「ぐるりこ」と呼ばれ、日本語の「ぐるり(循環)」と「粉」を組み合わせた名前です。ビール工場から出たホップの搾りかすも、この技術で酒の原料として生まれ変わりました。両社の協業は今回で2年目になります。
「花風」はどんな酒か

稲とアガベは2021年、日本海に面した秋田県男鹿市で創業しました。同社が手がける「クラフトサケ」は、日本酒の製法をベースに果物やハーブなどの副原料を加え、新しい味わいを目指す新しいジャンルです。日本の酒税法では日本酒(清酒)とは区別され、本商品も「その他の醸造酒」に分類されます。「花風」は米と米麹にホップを加えて発酵させるシリーズで、2026年版は酸味がはっきりしながら甘さとのバランスがよく、微発泡でジューシーな仕上がりです。ホップ由来の柑橘の香りと心地よい苦みがあり、グレープフルーツやライムを思わせるといいます。容量は720mlで、日本での価格は税別2,600円です。
ビールと日本酒をつなぐ醸造所どうしの連携
今回はヤッホーブルーイングがホップの提供とラベルデザインを承諾し、ビール、フードテック、クラフトサケという異なる分野が一本の酒でつながりました。醸造の副産物を廃棄せずに別の造り手へ渡す動きは、ヨーロッパのクラフトビールや蒸留酒の世界でも広がっているテーマです。
ヨーロッパの読者にとって、このボトル自体を手に入れるのは難しいかもしれません。プレスリリースでは海外での販売に触れていないためです。それでも、ホップを使ったクラフトサケは、IPAやペールエールに親しんだ人が日本酒の世界に入る入口として注目できます。専門店で「craft sake」や稲とアガベの名前を見かけたら、副原料に何が使われているかをラベルで確かめてみてください。香りの華やかな酒や発泡性の酒には、香りが広がるワイングラスが向いています。よく冷やして注ぎ、柑橘の香りとほのかな苦みを確かめるのも一案です。
参考・出典
- PR TIMES(稲とアガベ)「稲とアガベとASTRA FOOD PLANが共同開発ヤッホーブルーイング「よなよなエール」使用済みホップをアップサイクルしたクラフトサケ『交酒 花風ぐるりこ 2026』を数量限定で販売開始」
- SAKE Street「日本酒の酒器の種類と特徴、選び方を解説 - こだわりの酒器で、日本酒をもっと美味しく!」
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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