The Sake Wire

千歳に米国系の巨大ウイスキー蒸留所、2027年完成へ

米国ケンタッキー州のIJWウイスキー系列が、北海道千歳市で年間2000万リットル規模のジャパニーズウイスキー蒸留所を建設しています。

日本のウイスキー業界で、外国資本による大きな投資が形になりつつあります。米国ケンタッキー州ダンビルに本拠を置くIJWウイスキーのグループ会社、シダーフィールド合同会社(本社・東京)が、北海道千歳市の千歳臨空工業団地で蒸留所を建設中です。北海道の空の玄関口である新千歳空港に近いこの工業団地は、札幌の南に位置します。計画では年間2000万リットルを生産する予定で、国内最大級の規模になる見込みです。北海道の経済ニュースサイト「リアルエコノミー」が2026年8月末に報じました。

工業団地に現れた5万坪の蒸留所

工業団地内で進む大型施設の建設工事
工業団地内で進む大型施設の建設工事 — 写真: Arman(Pexels)

敷地は約16万4000平方メートル(約5万坪)あり、同じ団地に入るデンソー北海道や北海道キッコーマン、ミツミ電機の拠点と並ぶ広さです。現場ではすでに大きな建物が姿を見せており、米国などから運ばれた蒸留装置の搬入も行われています。工事は2025年2月に始まり、2027年6月末に完成する予定です。一般向けのオープンはその後になる見込みです。

隈研吾氏の設計監修と自動化された熟成庫

基本設計とデザイン監修は、東京の国立競技場などで知られる建築家・隈研吾氏の事務所が担当します。設計・監理と施工は札幌の伊藤組土建が手がけます。原酒の保管と管理には、京都の村田機械の自動倉庫を導入します。大量の樽を長期間管理するための仕組みで、生産規模の大きさがわかります。

「ジャパニーズウイスキー」として造る意味

ジャパニーズウイスキーのテイスティングのイメージ
ジャパニーズウイスキーのテイスティングのイメージ — 写真: Michael M(Pexels)

同社は日本国内の水で仕込み、3年以上熟成させたジャパニーズウイスキーを造る計画です。日本の業界団体の表示基準では、「ジャパニーズウイスキー」と名乗るには日本での仕込み、蒸留、3年以上の熟成などが求められます。海外から輸入した原酒を瓶詰めしただけの商品と区別するためのルールです。外国資本が最初からこの基準に合わせた大型生産を計画していることは、ジャパニーズウイスキーの供給の仕組みが変わりつつあることを示す動きと言えそうです。

ヨーロッパの読者にとって、この蒸留所の最初のウイスキーが市場に出るのはまだ先の話です。完成が2027年半ばで熟成に3年以上かかるため、どれだけ早くても2030年代に入る頃になります。それまでは、ボトルを選ぶときにラベルの「Japanese Whisky」の表示と、日本で熟成されたかどうかを確認する習慣をつけるとよいでしょう。北海道の冷涼な気候で熟成させた原酒が、米国資本のもとでどんな味になるのか。将来、ヨーロッパの店頭に並ぶ日本のウイスキーの種類と価格に影響する可能性のある計画として、注目しておく価値があります。

参考・出典

  • リアルエコノミー「【成長都市・千歳】シダーフィールド合同会社が巨大ウイスキー蒸留所建設中」

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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