道産コーンで3年熟成、札幌酒精が初のコーンウイスキー
北海道の産官学プロジェクトから、道産トウモロコシを主原料に3年熟成させた初のウイスキーが640本限定で登場した。

北の大地のトウモロコシから生まれた原酒

日本最北の大きな島、北海道の札幌市にある酒類メーカー、札幌酒精工業が2026年9月16日、「サッポロコーンウイスキー加伊」を発売しました。原料は北海道産のトウモロコシが中心で、仕込み水と麦芽も北海道産です。3年間熟成させた原酒を使っており、生産は640本に限られます。
日本のウイスキーといえば、大麦麦芽を使うモルトウイスキーや、それとブレンドするグレーンウイスキーがよく知られています。トウモロコシを主原料とするウイスキーは、アメリカのバーボンやコーンウイスキーを思い浮かべる人が多いでしょう。北海道は日本有数のトウモロコシ産地で、その地元の作物から日本産のコーンウイスキーを造ったという点に、この一本の新しさがあります。
産官学で進めたプロジェクト
このウイスキーは、北海道の公的研究機関である北海道立総合研究機構(道総研)が中心となり、2021年度から進めてきた北海道産コーンウイスキー開発プロジェクトの成果です。研究機関と企業、地域が連携し、原料から製品化までを北海道内で行うことを目指してきました。今回の製品は、このプロジェクトで生まれた原酒が3年の熟成を経て、初めて商品として出荷されたものです。
北海道ではウイスキー造りへの関心が広がっています。道総研の林産試験場では、北海道産の木材で洋酒用の樽を造る研究も進められていると報じられています。原料、水、樽まで地元の素材でそろえる動きは、日本のウイスキーが土地らしさを打ち出そうとしている流れの一つといえます。
ヨーロッパの読者が注目したい点

640本と数が少ないため、このボトルがヨーロッパに届く可能性は高くありません。それでも、日本のウイスキーがモルト一辺倒ではなく、地元の穀物を生かす方向へ広がっていることを知るきっかけになります。バーボンやアイリッシュのグレーンウイスキーになじみのある人は、トウモロコシ由来の甘さやまろやかさが、北海道の冷涼な気候で熟成させた原酒でどう表れるのかに注目すると面白いでしょう。今後、熟成年数の長い原酒が出てきたときや、輸出の動きがあったときのために、覚えておきたい名前です。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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