The Sake Wire

日田の老舗・井上酒造、地銀系ファンドの出資で再建へ

江戸時代から220年以上続く大分県日田市の井上酒造が、大分銀行系の投資会社から出資を受け、経営と酒造りを分ける新しい体制で再建に乗り出した。

220年続く蔵を襲った二つの打撃

井上酒造(Inoue Shuzo)は、九州北部にある大分県の西端、山に囲まれた町・日田市(Hita)の酒蔵です。江戸時代から220年以上にわたり、この土地で日本酒を造り続けてきました。しかし近年は厳しい経営が続いていました。2017年の福岡・大分豪雨では蔵が被災しました。その後は新型コロナウイルスの流行で、日本酒の消費が大きく落ち込みました。歴史の長い蔵であっても、自然災害と市場の縮小が続けば、立て直すための資金と体力は限られてしまいます。

地方銀行の投資会社が加わった新体制

2026年3月、大分県を地盤とする地方銀行・大分銀行の投資専門子会社が井上酒造に出資し、新しい経営体制が始まりました。前社長は経営の第一線を離れ、酒造りに専念します。会社の経営と酒の製造を別の担い手で分け、再建を進める形です。地元紙の大分合同新聞は、この再出発を「攻めの姿勢」と伝えています。

日本の酒蔵の多くは家族経営の小さな会社で、当主が資金繰りや販売と、醸造の責任者を一人で兼ねることも珍しくありません。地域の金融機関が資本を入れて経営を支え、造り手を酒造りに集中させるこのモデルは、老舗の蔵を残すための一つの答えとして、日本酒業界の変化を映しています。

ヨーロッパでの楽しみ方

純米・吟醸などの表示があるラベルの一升瓶
純米・吟醸などの表示があるラベルの一升瓶 — 写真: Andy Lee(Pexels)

ヨーロッパで井上酒造の酒を探すなら、日本酒専門店や輸入業者のリストで「Inoue Shuzo」や産地の「Hita, Oita」という表記を手がかりにするとよいでしょう。ラベルの「純米」(米、米こうじ、水だけで造った酒)や「吟醸」(米を削って低温でじっくり発酵させた酒)といった表示も、味わいの目安になります。経営が新しくなった蔵では、数年かけて酒の味わいが変わっていくことがあります。同じ銘柄を年ごとに飲み比べて、造り手が酒造りに集中した成果を自分の舌で確かめるのも、遠く離れた読者ならではの楽しみ方です。

参考・出典

  • 大分合同新聞「日田市の井上酒造、出資受け新たな経営体制スタート 前社長は酒造りに専念、攻めの姿勢で再建へ」

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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